モノクロ 【鬼ヶ崎カイコク】

第7話 飴 ページ9

inシアタールーム

もっとこじんまりとしたものを想像してたけど
こりゃ、本格的だな。映画館じゃねーか。

ゲームをやるのは、アホ毛の子、マスクくん、ヤンキーくん、カリンちゃんの4人

ここに来るまでの間に、ポケットとか色々なものを調べて見たら、いつも常備されているキャンディーが入っていた。

それを開けて口にほうばると、いちごミルクの甘い味がしてくる。

おにーさん「なーに食ってんでェ？」

横からひょっこりおにーさんが顔をだす。

貴「キャンディーですよ。食べますか？」

おにーさん「いや、遠慮しとく」

と、苦い顔をして拒否られる。
私はまた、その隣の女の子に

貴「食べる？」

と、聞くと申し訳なさそうな嬉しそうな顔をして飴を受け取ってくれた。


こっちまで笑ってしまいそうなフワッとした笑顔で

可愛い・・・

そう思い頭を撫でると後ろから視線を感じ、

貴「あなたも食べますか？」

金色の目をしたおねーさんにも雨を差し出すとワーイと子供のように喜んで口に飴をほうばってる。


おにーさん「しっかし、Aちゃんは参加しなくてよかったのかィ？」

貴「何故ですか？」

おにーさん「だって、あんなに高らかに“楽しませてみろ”って言ってたじゃねェか」

おねーさん「ユイユイそんなこと言ってたのか？！」

・・・ユイユイ？

“聞きたかったー”と笑顔で言っているおねーさん
それに乗るように“かっこよかったぜ”というおにーさん


2人で勝手に盛り上がっとる

貴「ユイユイとは、私のことですか？おねーさん」

おねーさん「そうにゃ？」

・・・にゃ？

おねーさん「お姉さんは少し大袈裟すぎるから名前で大丈夫だ。というか、名前で呼んでくれ」

と、目を輝かせながらこちらを見られても

貴「名前がわからないんですけど？」

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