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#82 ページ5

太宰side

国「どうした太宰。
妙に静かだと思っていたら今度は何をするつもりだ?」

太「やだなぁ国木田くん。
私だってそれなりに考えてたんだよ」

中「考えてたって...何をですか?」


Aちゃんの幻聴が
実は幻聴でなかったとすれば。


太「そんなのどうしてAちゃんが
苦しんでいるかに決まってる」


私たちに聞こえていない声が
Aちゃんにだけ聞こえているとすれば。


太「...谷崎くんはAちゃんの
異能力を実際に見たことがあるでしょ?」

谷「はい、亡くなった方と話せるんですよね」

太「...幻聴じゃなくて
あちらの世界が一方的に届いている。
その考えが成り立つのであれば...」









「異能力・人間失格」







触れたその額は確かに熱かった。
異様に汗ばんでいて、誰が見ても
普通の熱ではなかった。

私は徐々に力を緩める。

それに比例するかのように
Aちゃんも耳をふさぐ手を緩めた。

そして意識を完全に手放した。


....やっぱり。



谷「異能力を発動し続けていたんだ。
...一体どうして」

太「まぁ、制御しきれてなかったんだろうね。
敦くんが自分を虎だと知らなかったように
....本人には発動していた意識がなかった」

敦「でもAさんは
自分を能力者だと知っていたじゃないですか」


ふと、帽子を被った小さい人が頭をよぎった。
私が止めなきゃ死ぬまで暴れ続ける
非常に厄介な小さい人が...。


だから頭の中で投げ飛ばしてやった。


太「...知っていても
我を失う事はあるんだよ」

国「だが、それに無意識発動との
関係には説明がつくのか?」

...そこまではさすがにわからなかったけれど

江「まだまだだなぁ。
両親なくして正気でいれる訳ないでしょ
弱った心ではコントロールは効かなくて
異能力が暴走することだって珍しくはない」


...再発を防ぐためには
本人の心を根底から落ち着かせるしかない。

もしくは能力を如何なるときでも
制御できる力を身につける。

しかし後者の場合
私が知っている方法はただひとつ。
Aちゃんの人生の選択を迫ってしまうことになる。

かといって
記憶も欠けている状態で肉親は一人もいなくて

そんなAちゃんに
平常心に戻れと言う方が厳しいのかも。




正解は何なのか。
神でさえ知らないだろう。

この子を守るために
私にできることってなんだろう。

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中木寸(プロフ) - 林檎さん» ありがとうございます!大変励みになります。よければ最後までお付き合いくださいヾ(*´∀`*)ノ (2018年5月4日 19時) (レス) id: f9edf98cd8 (このIDを非表示/違反報告)
林檎 - すごいみなさんキャラの口調等が上手ですね!最初から読ませてもらっていますが流石ですね。これからも応援しています!頑張ってください! (2018年5月4日 18時) (レス) id: 03d076c9eb (このIDを非表示/違反報告)
中木寸(プロフ) - 碧唯さん» コメありがとうございます。もしかして一気にですか?!それは嬉しい限りです(*’▽’) これからもよろしくお願いします♪ (2018年1月15日 14時) (レス) id: f9edf98cd8 (このIDを非表示/違反報告)
碧唯(プロフ) - 最初から読みました!面白かったです!!頑張って下さい(・ω・ ) (2018年1月14日 23時) (レス) id: 55280dc4c1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:中木寸&沙奈 x他1人 | 作成日時:2018年1月13日 21時

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