入院生活 31 ページ32
死にたくないなんて誰もが一緒なのに、Aは僕の前でそんなこと一度も言わなかった。
僕はそれを勝手に強い子だから、なんて決めつけて僕は自分の事しか話さなくて…
『うっ、…ぁ、』
ノートを抱きしめるようにして泣く僕の嘔吐く声がAのいた部屋の中に響く
酸素がうまく回らなくて、大きく酸素を取り込もうと吸うと咳き込んでしまう
その時。
パタンと落ちたAのノートはひとつのページを開いていてなにかが書いてある
涙で霞んでぼんやりとしか見えない。だけどそこに書かれていたのは僕の事で。
真冬に隠してたことを書きます!
多分、真冬はこのページを見つけてるんだろな…
というか、前のページを見て僕のせいだ。なんて思いつめてそう(笑)
でも真冬のせいじゃないです!
ここの病院に来た時から、自分が死ぬってことはわかってたの。だけどやっぱり笑っててもダメだね。死ぬのは怖い。
でも私は、そんな中真冬に出会えたことは、神様から贈られたプレゼントだと思うんですよ。
少しの期間でも、真冬と笑いあって、話して、同じ景色を見て。これ以上ないくらい私は幸せで満たされたよ。
私は、真冬のことが好きです。
あの時、ごめんなさいって言ったのは、自分がもうすぐ死ぬってわかってたから。もし付き合って死ぬってなったら私、死にたくないって言って迷惑かけちゃいそうだったから(笑)
だけど、ここでこんなこと言っちゃう私は狡い人だね。でも、それでもやっぱり気持ちを伝えたかった。ごめんね…狡い人で。ごめんね…。
190人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Cocoa@そらまふらー/crew - 感動しました…涙が止まらない(;∀;) 文才分けてください(( これからも頑張って下さい! (2018年8月14日 21時) (レス) id: 13604fc398 (このIDを非表示/違反報告)
どこかの誰か - 普通に感動してボロ泣きでした(;Д;)こういう話には弱いもんで…。にゅまさんの才能を感じました!これからも色々読んでいきたいです(´ω`) (2018年8月10日 15時) (レス) id: d235b15c87 (このIDを非表示/違反報告)
明日香 - この話は切なくて泣けてしまいました。涙ってこんな簡単に出るのかな?って思いました。 (2018年6月9日 22時) (レス) id: a3a1fc3f89 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 切ないけど、幸せな話で感動しました。 (2018年6月9日 15時) (レス) id: e6be9093a8 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこ - ヤバいです。泣きました。私こんなに涙腺緩かったっけ? (2018年6月2日 20時) (レス) id: 46f91ead37 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:にゅま | 作成日時:2018年5月4日 4時