入院生活 29 ページ30
『A…は…?』
目を覚ました僕が1番最初に口にした言葉は、慌ただしく動いていた看護師さんの動きを止めた
『ねえ、A、どこ』
しばらく黙りこくる看護師さんにもう一度質問を繰り返すと、そっと腕を下ろして寝ている僕の視線に合わせるようにそっとしゃがみ込んだ
どうしたんだろ、こんなに改まって
なんて思ったのもつかの間、看護師さんが放った言葉は僕には考えられないものだった
寝たきり状態だった僕は、ベッドから飛び降りた。
だけど、動かない時間が多かったからかいうことを聞かない不自由な体に苛立つしかなくて、必死になって壁をつたいながら歩いていく
やっとたどり着いたAの病室には、ツンとした薬品の匂いだけが残ってて、大好きだった彼女の匂いは綺麗にかき消されていた
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Aが死んだ。
その事実に頭の中がうまく機能しなくて、ただ、嘘であってほしい。そう思うことしか出来ない。
でもその考えを打ち消すように飾られた1輪の菊の花と、その隣においてある紙袋
そこには僕の名前が綴られていた
それは見た事のある丸っこい可愛らしい字で…
中にはノートと、スケッチブックが入っていた
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Cocoa@そらまふらー/crew - 感動しました…涙が止まらない(;∀;) 文才分けてください(( これからも頑張って下さい! (2018年8月14日 21時) (レス) id: 13604fc398 (このIDを非表示/違反報告)
どこかの誰か - 普通に感動してボロ泣きでした(;Д;)こういう話には弱いもんで…。にゅまさんの才能を感じました!これからも色々読んでいきたいです(´ω`) (2018年8月10日 15時) (レス) id: d235b15c87 (このIDを非表示/違反報告)
明日香 - この話は切なくて泣けてしまいました。涙ってこんな簡単に出るのかな?って思いました。 (2018年6月9日 22時) (レス) id: a3a1fc3f89 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 切ないけど、幸せな話で感動しました。 (2018年6月9日 15時) (レス) id: e6be9093a8 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこ - ヤバいです。泣きました。私こんなに涙腺緩かったっけ? (2018年6月2日 20時) (レス) id: 46f91ead37 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にゅま | 作成日時:2018年5月4日 4時