勝負 ページ42
｢俺の走り、ですか？｣
キョトンとする真波
｢そう。部活に遅刻してきて、授業にも出ずに山を登ってる真波くんが、どれ程の実力なのか。｣
｢先輩、俺のこと嫌いなんですか〜？｣
｢まさか。同じクライマーとして興味があるだけだよ。｣
君がうちの今年のキーマンだからね。
なんて、口が裂けても言えないけれど
｢あぁ、それと。山に入ったら全力で走っていいよ｣
｢え？でも…｣
｢いいから。ほら、もう少しで上りに入るよ。｣
何故か渋る真波にそう声をかける。
上りに入ってから真波は何故か本気で走ろうとはしない。
私を気にしているのは、分かっている。
｢真波君。全力で踏め。私のことは気にしなくていいから。｣
そう言うと、真波はやっと本気で登り始めた。
顔色一つ変えず着いていく私に気付いた真波は楽しそうな顔をする。
いや、あれは楽しいなんて単純な感情じゃないか。
さて、そろそろ本気の走りを見せてもらおうかな。
｢真波君。勝負をしようか。｣
｢勝負…？｣
｢ここから山頂まで。｣
｢やりましょう！その勝負！｣
思わず口角が上がる
私は真波に並んで走る。
真波がギアを上げた。
それに着いていく。ギアを上げる必要は無いほどの加速。
試されてる…か。
｢凄いですね！先輩！｣
｢そのくらいの加速ならね。｣
｢でも、まだまだ上がりますよ…！！！｣
残り３キロという所で真波との差は２００
大体の癖もギアをあげるタイミングも掴めた。
さて、私も上げていこうか…
ギアを一つ上げて、真波に迫る。
二つ上げて真波の後ろにつく。
そして、真波さえも気づけない様な小さな風に…
乗り…抜く！！！
女子と男子の圧倒的な差は体格だ。
骨格の作りから違う。
もちろん、デメリットも多いがメリットだってある。
｢先輩っ！速いですね！！でも、負けれません！！｣
真波のプレッシャーが…変わった。
でも、そんなの関係ない
聞こえる…風の声、木々のざわめき、ギアをあげる音、真波の息遣い…
今、私…最高に調子がいい…！
楽しい…終わって欲しくない…
だけど…、どんなものにも終わりは存在するんだ。
｢ﾊｧｯ…ﾊｯ…真波君流石だね〜…｣
｢先輩マネージャーって、嘘でしょ…｣
｢マネージャーです。｣
｢何でそんなに早く登れるんですか〜？｣
それは私には覚えのある言葉だった。
｢風が…教えてくれるの｣
私はそう言って笑って見せた。
上手く笑えたかと言われれば微妙だ…
｢さて、そろそろ戻ろうか。｣
｢はーい！｣
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よしはる(プロフ) - アイカさん» ありがとうございます！楽しみにしていて下さる方がいらっしゃると分かりとても有難い気持ちになると共にこれからも更新を頑張ろうと思えます。更新頑張りますので、これからもどうぞ宜しくお願いします！ (2017年9月13日 23時) (
レス) id: 102fc0cc39 (このIDを非表示/違反報告)
アイカ - いつも楽しみに読まさしてもらっています。これからも頑張って下さい。 (2017年9月12日 17時) (レス) id: aaa91fe88c (このIDを非表示/違反報告)
よしはる(プロフ) - 夜実さん» ありがとうございます！これからも面白いと思っていただけるように頑張って行きたいと思います！ (2017年3月25日 1時) (レス) id: 598fa7bcac (このIDを非表示/違反報告)
夜実 - 面白いですね！これからも頑張ってください！ (2017年3月23日 22時) (レス) id: 180bd39056 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしはる | 作成日時：2016年9月25日 6時
