第9話 ページ11
《zmside》
中庭で拾った犬を抱いて廊下を歩いていると、急に犬が俺の腕から逃げて、走り出した
急いで追いかけると、着いたのはAの部屋
途端に不快感が溢れ出す
何も知らない子犬は、その部屋の扉を開けようと、カリカリと縋るように引っ掻いている
扉に近ずいて、犬を抱き寄せる
『うぁ…
お姉、ちゃん…』
苦しそうな嗚咽と、とぎれとぎれなAの声
まさか、泣いている？
姉がﾀﾋんだ直後は泣かなかったのに
気がつくと俺は、扉を開けていた
視界に転がったのは、
真っ青な顔で泣きながら床にへたり込むA
なんだか、ﾀﾋ人のようだと思えた
生気がない目と、やせ細った輪郭、青白い顔
また、抱き寄せた犬はAの方へと向かって行く
『うぁ"…
わ、わんちゃん？』
ぺろぺろと、頬の涙を拭おうと必死な犬
苦しそうな顔が、どんどんと緩んで微笑みに変わったAの顔
俺も不意に、手を伸ばしかけた
でも、こいつはサラカのﾀﾋを悲しまなかった酷いやつで、
優しいサラカを利用した酷いやつだ
むしろ苦しんでいるのは、天罰なのだろう
犬がAから離れた時、思いっきり頬を打った
「キャン！
うぅ"〜ワン！」
それに怒ったのか、声もあげないAの代わりに怒るように怒鳴る犬
zm「屑が、この子に触んなや」
睨んで、罵声をあびせる
あげられた視線
悲観するような目
ぼんやりとしていて、俺を目で捉えようとしていない
『ごめん、なさい…』
か細い、弱々しい謝罪
言ったそばなのに分からないのか、次には犬のほうに視線を移して撫で始める
『わんちゃんもごめんね
ありがとう』
犬の事はきちんと見るのに、俺の事は見ようとしない
本当に、ムカつく
『わんちゃん、もう来ちゃダメだよ、？
逃げてきたなら、ゾムさんのところへ帰りな？』
優しく撫でられて満足そうな犬と、優しく微笑みを向けているA
俺が犬をとるように抱き寄せると、またいつもみたいなぼんやりとした空っぽな表情に戻る
zm「言わんくても、もう二度とこんな場所にこさせへんわ
無能が移ったら困るしな」
また罵声をあびせて、部屋を出る
俺に抱かれている犬は、悲しげな表情をしていた
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シヱ(プロフ) - コメント失礼します！いつも楽しく読ませていただいてます！ もし私の勘違いだったらすみません、ぐぅちゃんはドラゴンではなくヒッポグリフですよ！ (2019年11月20日 15時) (
レス) id: 79a622e397 (このIDを非表示/違反報告)
夢女子癒月 - 第六話のとこ、アメリアになってませんか？ (2019年11月17日 20時) (レス) id: cca028059e (このIDを非表示/違反報告)
まーぶる(プロフ) - どもです！、すっごい楽しみに見させてもらってます！…もう、文才がありまくリですごいっす…！これからもずっと応援してますね！ (2019年11月17日 15時) (レス) id: 202e147d3a (このIDを非表示/違反報告)
tamagoooo(プロフ) - はじめまして。たまこです。いつも見させていただいています。失礼ですが、16話がないですよ…?では、これからも応援しています。面白い作品を期待しています。 (2019年11月13日 17時) (レス) id: df2a86f5a8 (このIDを非表示/違反報告)
ブンブン(プロフ) - 面白すぎです！更新頑張ってください！ (2019年11月13日 8時) (レス) id: 4a511d68cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月影ハロウ | 作成日時：2019年11月8日 1時
