一期一会 (ページ3)

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始まり(相手：場地さん、同級生) ページ3

「お前、なんか無理してねぇ？大丈夫か？」
そうやって、貴方はいつも私に声を掛けてくれてたっけ

周りが気付かないちょっとした変化を、貴方だけはいつも気付いてくれてた

『どうして分かるの？』なんて言葉は、当時の私には、とてもじゃないけど、聞けなかった

だって、そんな風に気軽に聞けるような関係性じゃなかったから

でも、いつからだろう
貴方との距離が縮まったのは

キッカケは些細なことだったけど、私にとってはとても嬉しくて、あの時の気持ちは今でも忘れられない

『あの、さ。前から聞きたかった事があるんだけど、聞いてもいい？』

「ん？なんだよ？」

そう言う場地くんは、猫達と戯れるのをやめて、私の方に振り向いた

『…どうして私が無理してるとか、体調悪いとか、周りが気付かないような変化に気付いてくれるの？』

ずっと疑問だった事を、漸く場地くんに聞けた

でも何故だろう…前から聞きたかった事なのに、答えを知りたくない私がいる

どうして？もしかして、何か期待してるの？
何を？そもそも期待って何？