Fateプリキュア！NEXUS (ページ31)

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輝変身～NEW CHANGE～ページ31

「おい…優！優！！」

名前を呼びながら優の身体を揺する輝
不安や焦りでじっとり嫌な汗も感じる
倒れた優を目の前にして軽くパニックになっていると頭の中に『七虹輝』の声が響く

『大丈夫、気を失ってるだけ』

輝は張り詰めた気がほどけるのを感じた
生きている、ということだけでも分かっただけで今は十分だ
このままだと優も戦いに巻き込んでしまうが選択肢に迷ってる暇もなくなっていた

「ｳｩ……ｸﾞ…アｧ…」

澪は苦しそうに、絞り出すようにして呻き声をあげる
暴走は止まる気配がないまま攻撃準備をしていた
澪の右手には刻々と溜まっていく毒々しい紫色のエネルギーの塊があった
あれをまた撃たれたらまずいと自分の本能が言う
今にも発射されそうな破壊の塊と眼に光さえ灯っていない澪を見つめる
そして未だ目を覚まさない優の手を握り心に誓った。

『私は必ず手に入れる。
今よりも、これから手に入れる力よりももっと強い真の力…
いつか───目がくらむほど眩しい光も自我を失い暴走する闇さえも……
この手で掴み取ってやる！！』

輝は自分の中で何かが弾けた。
ロストギアの時とはまた違った感覚でストッパーが外れるのを感じていた

きっと優も今までだって辛いこと苦しい思いをして心も体もボロボロになったはず。
今だって……
そんな姿はもう見たくない。優には笑顔でいてほしい。

輝は気づいた。

護りたいんだ。
優がそうだったように、私も優のことを大切に思っている。失いたくないほどに。

優達の想いを私が推測するには計り知れない。優も爛も澪も、きっと悩みながら苦しみながら、ここまで来た。想いと悲劇の積み重ねが今を、この状況を、自分を作ってしまった。
だから、もうこの連鎖は断ち切る。私がここで終わらせる！

「もう優にも、誰も…傷つけさせない！！」

それが合図かのように自身に流れ込む光の洪水
ロストギアの力に支配された時の孤独、寂しさ、怒りなど怒濤に流れた負の感情とは違い今感じているのは一言でいうと温かい、優しいもの。
スウッと自分の身から何かが離れたような感覚がすると溢れ出す光を境に向かい側で、待っていたというように七虹輝が両手を差し出していた
掌の上にあるカード、ロストギアに描いてある絵が変化していく

「君と、皆を護る力を」

彼女は祈るように呟いた。

輝は受け取った。
想い。因果。護る力。壊す力。
1枚のカードに込められた全てを。

輝は叫ぶ。渾身の力を振り絞って。

「プリキュアチェンジ！！」