Fateプリキュア！NEXUS (ページ12)

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輝の願いページ12

～輝視点～

「……落ち着いた？」

心配そうに優が聞く

確かにさっきよりは少し落ち着いてきた気がしたのでコクりと頷く

「あの、ね」

と遠慮がちに話を切り出してくる優

「実は…前から聞きたかったんだけど…

“輝の願いって何？”

輝は何のために戦うの？」

「えっ…？」

どうして今更…と思ったが記憶をたどってみると優の願いや今までの出来事は聞いたがプリキュアになった理由、などは話したことがなかった…と思う

「せっかくだし聞いておきたいと思って」

質問するだけじゃ気まずいと思ったのかこう付け足す

私は少し間をおいて話し出した

「今更……だけど

“この世界を変えたい”

『自分の望む世界にしたい』と思ったから」

世界を変える、それはプリキュアの力を持ち願いが叶うカードを手に入れてやりたいと思ったこと

私の望む世界にする、と言うのは今初めて自分の言葉で言った

本来なら“自分の望む世界”などと言うのはプリキュアでいう敵側が叶えようとすることだろうが、私の場合は良い意味で違う…と自分では思っている

私がやりたいのは世界を支配するとかそういうことではなくてこの世界自体を自分の思うがままに創り変えるということ

やろうとしていることは似ているのかもしれないが…

それでもまだ具体的ではないかもしれないが最初の頃の漠然としたものよりはまだましになったと思う

「でも……」

今まで戦ってきたのもあり、私には迷いが生まれていた

こんな自分勝手な願いを叶えていいのか…

他の二人も私ではない輝を生き返らせるためにずっと戦っていた

優も元々はそうだった……

なのに私は…途中参加なのに割り込んでその願いを叶える権利を横取りしようとしている…

本当にそれで良いのか……

「…迷ってるの？」

優しい声と真っ直ぐな目で見つめられたら頷けないわけがない

「…うん」

すると優は

「私は輝を信じる

そう決めたから…

だから…どこまでも輝について行くよ」

この言葉から私を心から信頼しているという気持ちがよく分かった

優はこれからを

自分の人生を

未来を…

私に“託す”つもりなのだろうか。

優は自信満々な口調で

「輝が望む世界だもん

きっと私も居る

だからその時まで一緒！

私達は…プリキュアだから！！」

そう言い放った

そしてこの後、私達は思わぬ人物と対面することになる