大切な人 ページ6
私は生きる意味を失った。
家族を失い、沙奈を失い、名前を失い･･･
もう無理なんだ。どうせ。
私なんか。私なんか。
沙奈のために生きてたのに
これから私は誰のために生きればいいの？
ねぇ、誰か助けて
ねぇ、どうしたらいいの？
もうわからないよ。
私が生まれたその意味も。
私はカッターで自分の腕を切った。
10箇所以上切って、何回も倒れたのに、そのたびに先生に助けられた。
もう切る場所がなくなったから、首を切ることにした。
バイバイ、。
私は奇跡的に一命を取り留めたが、病院の一番端っこの、薄暗く、窓も、机もない部屋に入れられた。
この部屋には真っ白なベットがただ一つ。
もう自分を傷つけないようにって。
ご飯も食べない。
ただぼーっとしているだけ。
気が向いたらお風呂入って、トイレ行って、
こんな生活もうやだ。
本当はもう普通に接してもらいたい。
点滴を取り替えに来るたびに、先生達に遠慮がちに話されるのはもう嫌だ。
誰か助けて。
そんなある日、私の部屋に一人の男子が転室してきた。
私はあえて無視した。
その男子も何も話さなかった。
本当は助けて欲しかった。
夜中になって一人で泣いた。
辛くて辛くてたまらなくて
誰か･･･助けて。
もう限界だった。
しばらくたって、その男子が喋った。
？『おい、いい加減にしろよ。』
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作者名：EMAMA★ | 作成日時：2017年11月30日 19時
