本と花【図書館戦争】

１話「ハイポート」 ページ3

清々しい青空。


頬をかすめるそよ風。


あぁ、なんていい天気なんだ。





……なーんて思えるほどの余裕は今の私にはない。


「笠原っ！腕下げんな！」


遠くから堂上教官の怒鳴り声が聞こえる。


「はぁはぁ…」


もう足の感覚はなくなりつつ気力だけで走っているような状況だ。


今私がやっているハイポートは銃を持って走る訓練だ。

現場では何キロもの装備で走ることもあるから重要な訓練なのだが…


「もう…だめ……」


持久力のない私にとっては地獄の訓練だ。


「鏡月っ！ペースあげろ！」

「は、はいっ！」


これ以上あげるとか鬼畜ですよ、教官。



ぜぇぜぇ言いながらなんとかゴールすると横で笠原が腕立てをしていた。


うわぁっ、辛そ…



「ひょっとして鏡月さんもやりたい？」


声をかけられて振り向くと


「あ、兄……鏡月教官…」

「で、やる？腕立て。僕はやってくれてもいい「遠慮します！」


ブラックスマイルで近づいてきた鏡月教官、もとい兄貴から逃げるかのように走った。

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ラッキーキャラクター

柴崎麻子

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