不思議な鍵屋の2…sha ページ14
「ただいま戻りました。」
「お、おかえりAちゃん。」
裏口から鞄を持って制服のままシャオロンさんの自宅に上がる。シャオロンさんはあまり家事が得意ではないらしい。特に料理。お邪魔した初日は洗濯で終わったような気がした。
「今日何食べたいです？」
「んん〜…寒なってきたしなあ…鍋？」
「いいですよ。」
そう言えばお世話になってから一週間。今日が鍵が出来る日。ふとシャオロンさんの方を見ると最後の仕上げをしているらしいことが分かった。
「そう言えば、私以外お客さん来ませんでしたね。」
「ん？ああ…お客さん選らんどるから…。」
なんのことか分からなかったが集中しているようだったのでこれ以上声をかけるのはやめておいた。鍋が丁度できるころ、作業場から、終わった〜！と声が聞こえてきた。
「ほら、Aちゃんの家の鍵やで。」
「あ、ありがとうございます！」
もう無くしちゃあかんよ。と言って渡してくれるシャオロンさんの手は細くて骨ばっている。これで家に帰れると、ほっと息をついた。鍵をポケットの中にしまうとぎゅっと抱きしめられる。いきなりの事で困惑していると静かにシャオロンさんは喋り始める。
「あんな、お代は…その、えっと…高くつくかもって…言ったやん。」
「…はい。」
「…この鍵屋、特別なんよ。来てくれた子の記憶をお代にしとるんや。」
「ぇ…？」
抱きしめる力が強くなる。ぽつぽつと話されたのはお代の話だけじゃなくて、ここで作れる特別な鍵の話もされた。なんでも思い出したくない記憶を閉じる鍵や、逆に閉ざされた心を開く鍵も作れるとか。
「…お代は、ここでの記憶。生きていた時間が短い分、大事な思い出の方が割合が高いし…失いたくないやろ？」
「ちょ、まっ…。」
「おやすみ…少し眠れば全部忘れるから。」
瞑った瞼の上にぽたぽたと水が落ちてきて、私の意識は混濁していった。
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羅威那(プロフ) - 兎餅さん» ただいまリクエスト消化滞っておりまして…いつ書き上げることができるか分かりませんがそれでもよろしければ… (2022年4月28日 23時) (
レス) id: c967219d95 (このIDを非表示/違反報告)
兎餅 - sinpさんが、ヤンデレ化して夢主を閉じ込める系のって、書けますか……？ (2022年4月24日 7時) (レス) id: 1c6f84240e (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - ありがとうございます！お待ちしてます！ (2020年3月14日 3時) (レス) id: 525527bd5b (このIDを非表示/違反報告)
羅威那(プロフ) - ひかるさん» ひかるさんリクエストありがとうございます。最近思うようにかけず、更新が滞っておりますがそれでも良ければお待ちいただきたく思います。 (2020年3月13日 22時) (レス) id: ac81da58c3 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - knさんが嫉妬してる感じのお話読みたいです…！！ (2020年3月9日 21時) (レス) id: 525527bd5b (このIDを非表示/違反報告)
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