・デクくんが変 ページ37
・
そんなある日のこと。
轟「食わねぇのか？」
カツ丼を見ながら、思い詰めているような様子のデクくんに轟くんが聞いた。
その日はデクくんの様子がおかしかったのは何となく分かっていた。
なんというか、気合いが入りすぎている。
と思えば今のように、生気を失った目をしていて、
心配せずにはいられない、そんな感じ。
緑「あっ食うよ！？くっ、食う！！」
轟くんの言葉に、デクくんは慌てて箸を持った。
飯「大丈夫か？」
轟「インターン入ってから浮かねぇ顔が続いてる。」
そうなのか。
私は自分にいっぱいいっぱいで気づかなかった。
最近デクくんの様子がおかしいと気づいたのはインターンが中止になったからだ。
でも、轟くんが気づくなら、相当なのだろう。
緑「そうかな……？」
誤魔化すようにカツ丼を食べ進めるデクくんに、私も飯田くんも、顔を曇らせる。
絶対に何かあったはずなのに、言ってくれないようだ。
もしかしたら、言えないことなのかもしれない。
この辺のストーリーはもう知らない。
私の記憶にあるのは、仮免が終わったあたりまでだ。
だから、デクくんに何が起こっているのか察してあげることが出来ない。
飯田くんが口を開いた。
飯「本当にどうしようもなくなったら言ってくれ。友達だろ？」
私と同じことを思っていたようだ。
飯「いつかの愚かな俺に、君がかけてくれた言葉さ。職場体験前の」
ああ、確か、職場体験に向かう前の駅の時だったか。
これは私の体験じゃなくて、原作の記憶の方だけど。
飯田くんの言葉に心の中で頷きながら、デクくんを見る。
緑「くっ、くっ、、、ふっ、、」
緑谷くんが下を向いて声を漏らした。
お盆にポタポタと涙が落ちている。
え！？泣いて………え！？
飯「うわぁぁぁ！！！おい！！」
轟「緑谷？」
飯田くんと轟くんが焦っている。
ど、どうした！？デクくん！！
そんな、泣く程の事があったの！？
緑「な、なんでもない……」
そう言いながら、デクくんはカツ丼をかきこんだ。
何が何だか分からないけれど、
緑「ヒーローは泣かない………！」
そう言って涙を拭いながら顔をあげたデクくんに、きっと飯田くんの言葉が響いたのだと思った。
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ほしいか(プロフ) - あすか。さん» コメント頂けて何よりです！ありがとうございます(o^^o) (2021年5月4日 22時) (
レス) id: a6bcddeca8 (このIDを非表示/違反報告)
あすか。 - 既に投票済みです(無効)←( ＾∀＾)ニタァ…(もっと好評させろや) (2021年4月30日 0時) (レス) id: a7e581901d (このIDを非表示/違反報告)
ほしいか(プロフ) - なしなつさん» あぁぁぁぁ、とても嬉しいです、ありがとうございます！続編もよろしくお願いします！ (2020年7月6日 17時) (レス) id: d3ad79e9d3 (このIDを非表示/違反報告)
ほしいか(プロフ) - 蒲焼さん» 神作とは…！ありがとうございます！続編もよろしくお願いしますm(__)m (2020年7月6日 17時) (レス) id: d3ad79e9d3 (このIDを非表示/違反報告)
なしなつ - あぁぁぁあああもうずっときゅんきゅんさせて読んでました！！爆豪尊い… (2020年7月5日 18時) (レス) id: 9fe0c909f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほしいか
| 作成日時：2020年6月6日 13時
