音楽の天才と運命を縛られた少女 Part2

アランとの戦い ページ27

貴「はぁっ、はぁっ…」

後ろを振り向くと、アラン…クロエの呪いが追いかけてきているのが見えた。

どうすれば…どうすればいいの…

ミ「……」

貴「ミシェルっ、どうしようっ…このままじゃ、捕まるよ…っ」

ミ「分かってる…！」

貴「じゃあ、どうするのっ」

ミ「……」

ミシェルは、辺りを見渡し、あるところで視線を止めた。

私は、ミシェルが見ている方向に、目を向ける。

貴「ピアノ…？」

ミ「……A、あれを壊す」

貴「なんで？」

ミ「いいから。グズグズしてる暇はない」

貴「わ、分かった…！」

私は、金槌をミシェルに渡した。

ミ「…っ！」

ミシェルが、ピアノを金槌で叩く。

鍵盤が飛ぶ。

貴「一回じゃ、壊れない…」

ミ「もう二、三回…やる」

貴「わ、来たっ。早く逃げなきゃ！」

その後、三回ほどピアノを叩いたら、アランは消えた。

貴「あ、鍵…」

私は、鍵を拾う。

貴「隠し小部屋の鍵、だって」

ミ「…クロエ……」

……そっか。

クロエが、いるんだ。

銀のナイフが、頭をよぎる。

刺さなきゃ、駄目なの……？

それしか、助ける道は…

ミ「……A、行こう」

貴「…クロエ、ころしちゃう…の？」

ミシェルは、私から視線をそらす。

ミ「それしか…方法は、ない」

貴「……」

ミシェルは、ナイフを握り締める。

ミ「……」

貴「……」




キィ……




ミシェルは、扉を開いた。

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