もう一度恋してみませんか？２【K・N】 (ページ28)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:136,049 hit

72 ページ28

・

女子高生の頃憧れていた気持ちは、今日の二宮和也の態度で消え去ったけど…

二宮先生が小説が書けないって言った時の、
一瞬だけど哀しそうにしていた顔が脳裏をよぎる

『A？』

怪訝そうな櫻井の声に我にかえった

「あ、ごめん。話、なんだっけ？」
慌てて櫻井に聞き返す

『お前さぁ、やっぱりおかしいぞ。二宮和也となんかあったのか』
櫻井が私の顔覗き込むようにして問いかけた

「だから、何度も言うように、ゲームに付き合ってたから疲れただけです
翔は昔から心配性すぎるよ」

キスの事なんて言える筈ないし
あれは記憶から消し去らないと

櫻井が口を開く前に

「あのね、二宮先生に明日から毎日来て雑用しろって言われたんだけど、それってアリなの？」

話を変えた

『二宮和也と何にもないなら有りだ！。うちとしては、何が何でも彼の原稿が欲しい！。お前も編集者なら、その価値はわかるだろ』

「わかるよ、凄くよくわかる。今、うちの雑誌で独占インタビュー掲載できたら、売り上げはかなり伸びるよね」

『そうだ！。余りプライベートを明かしていない人気作家の二宮和也の独占インタビューだぞ！。売り上げは右肩上がりだな』

「その上、連載始まったら、売り上げは倍増すると思う」

『お前なぁ、そこまでわかってんなら
明日から毎日ご機嫌伺いして来い。これってかなりなチャンスなんだぞ！』

「そうだけど…」

『なぁA、そんなに渋るのは、やっぱりなんかされたんじゃねぇのか？』

櫻井に言われてドキッとする

焦る気持ちを押し殺して

「なんにもないってば。そうじゃなくてさ。なんかね、ハッキリはわからないけど、小説書けない理由が複雑そうなんだよね。だから、上手く対応しないと逆に怒らせそうで」

『書けない？。書かないじゃなくて、書けないのか？』

櫻井の驚いた顔。

「うん。今は書けないみたいだよ」

『やっぱりそうか…』

櫻井は腕組みをして何かを考えていた

・