もう一度恋してみませんか？２【K・N】 (ページ17)

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61 先生の事情とギャップコンシェルジェページ17

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『そう、そうなんだよな。仕事をなんだと思ってんだ！って言いたくなるじゃない。だけどさぁ、そんな女はこの世の中にはゴマンといるわけよ。
二宮和也の作品もロクに読まず、巷の評論家の寸評を読んだだけの上辺だけの知識で媚びてくる。
あの人それに懲りたからさ、女の編集者が来たらワガママ言ったり無理な注文して振り回すわけよ。中には小説の感想文書かされたやつもいるな。そいつらはさ、最初のうちは玉の輿に乗ろうと必死で頑張って我慢してるんだけど、毎日家政婦がわりにこき使われると嫌になるし、そのうち脈がないのがわるわけじゃん。結果、馬鹿な女は担当降りちゃって、あの人の担当は男ばかりなわけ。』

一気にまくしたてられて、
頭が一瞬プチパニック。
素早く情報を整理しないと。

「そ、そうなんですか。玉の輿って気持ちは女性なら持ってる人もいるでしょうけど、それを全面に出して仕事するなんて、なんだかおかしな話。仕事ってそうじゃないですよ。」

影山さんのくだけた口調に、私もついタメ口になってくる。

『まあね。だからと言って、あの人も女の編集者だけをこき使うのはどうかと思うけどさ。でも…。』

影山さんが急に口ごもる。

「でも？。」

『あ、いや、なんでもないわ。』

「え？」

『とにかく、そんな女が多い中、Aちゃんは、今までの女編集者と違うみたいだから。』

「違う？。どう違うんだろ？。そこが私には良くわからないけど。でも、それと私と影山さんがどう関係あるの？。」

影山さんが私に良くしてくれる理由がイマイチ理解できない

影山さんの話はまだまだ続く

『昨日ね、Aちゃんが帰った後にあの人が降りてきてね、ここで一緒にお茶したんだよ。
あの人、自分でお茶入れるのが面倒になると、ここで俺にお茶を入れさせるわけ。』

さっきからAちゃん、Aちゃんて…
それに二宮先生の事をあの人って、
影山さん本当に砕けすぎ。
この人って、普段は普通の人なんのね。
それはそれでちょっと安心。
だって、普段の生活で『左様でございますか』とか言われたら引いちゃうもん。

それにしても、さっきまでの影山さんとギャップありすぎる。
キリリとした顔から、フワァッとした笑顔が覗いてドキッとするからやめて欲しいわ。

唖然とした顔で影山さんを見ていたら

『ねぇ、今さぁ、なんなのこの人。ギャップありすぎ！って思っただろ？。』

私の顔を覗き込む様にして見て、ニヤリと笑った。

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