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「あなたが、どこの誰かもわからないような貧乏な男と一緒にいるのを想像しただけで鳥肌がたつ。」
母はまるで汚いものを見るかのような目で私を見た。
「あなたはね、名の知れた会社のお金持ちの人に嫁がなくちゃならないの。あなたは私の娘として生まれたんだから、これは決定事項よ。」
「…」
「今すぐ、男を捨ててきなさい。この家も引っ越しよ。もっと綺麗な住宅街が大学の近くにあるから。」
そこまで言われて、
私は怒りで手が震えた。
悔しくて悔しくて涙すら出てくる。
………言ってやろうか。
ユンギさんは、有名大学を出て、一流の会社に就職して、今は部長までのぼりつめて、
たくさんの部下を育てながら、高級なマンションで生活をしていると。
…………言ってしまう？
彼と一緒にいれば、私は名声もお金も全部
思いのままになる。
お母さんも、そんな娘をもてて光栄でしょ？
って。
そう、
もう喉元まできていた。
でも、
私は
言わなかった。
ユンギさんを、
こんな母親を慰めるための言い訳に利用したくなかったから。
私はユンギさんのお金や名声に惹かれたんじゃない。
ユンギさんという人間に惹かれたんだから。
母親が喜びそうな言葉を並べるなんて、
そんな卑怯なまね、
ユンギさんのことを思ったら
絶対に絶対にしたくなかった。
だから私はぐっとこらえた。
あんたなんかに、言ってやるものか。
言葉を飲み込む代わりに私は母を精一杯睨んだ。
「……何その目は。……まぁいいわ、引っ越しの準備して。明後日に書類を持ってくるから。」
母がそう私に言い捨てた、
その時。
「……あの、すみません」
ここにいるはずのない人の声がしたの。
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Muu(プロフ) - ゆうさん» とても嬉しい言葉をありがとうございます！少しでも楽しんでいただけたなら幸いです。 (2022年9月6日 17時) (
レス) id: 350ffc1ce7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 最高でした。 (2022年8月11日 19時) (レス) @page46 id: be7c7766b1 (このIDを非表示/違反報告)
Muu(プロフ) - ユンギペンさん» ありがとうございます！完結へと一気に書き進められたのは、まさしくこのメッセージのおかげです！ (2022年6月25日 2時) (レス) id: 350ffc1ce7 (このIDを非表示/違反報告)
ユンギペン - 続き楽しみに待っています！更新頑張ってください😊いつもお疲れ様です☺️ (2022年6月23日 22時) (レス) id: b9da242e25 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Muu | 作成日時：2021年9月15日 17時
