25.取られたくない ページ25
『え、と、今、何て？』
あの天宮さんからそんな声が聞こえようとは。
いや、聞き間違えかもしれない。うん。絶対そうだ。
顔をあげた天宮さんの顔は、頬を真っ赤にして膨らませていた。
え？え？
「だから！ごめんっていってるの！ごめんね！！」
「天宮くん、もっと丁寧に謝った方がいいと思うな？」
「う、うぐっ……！」
後ろで相川くんの笑う声がして、天宮さんは咄嗟に呻き声をあげる。
「あ、あの、……昨日は…………ごめんなさい。あの、押して、帰られなくなったって……」
『……え、あ、え？』
ど、どうして急に天宮さんが謝るの！？
いや確かに、あのことはすごく辛かったけど、急にどうして！？
「僕が昨日メールで怒ったんだよ、ちゃんと謝らないともう友達じゃないからねって」
「え、ちょっ！違う！真冬くんがいったのは、ちゃんと謝らないと社会的にころ……！！」
「何かいった？」
「な、なんでも……」
天宮さんは相川くんの威圧で、きゅっ、と態度が小さくなる。
と、とりあえず相川くんが怒ってくれたから、私に謝ったってことか。
「……本当にごめん。真冬くんが、真冬くんと仲良くなりたくて……そ、それで…」
「で、でも！君のことが嫌いな訳じゃなくて！君が潔く退散してくれないかなって思って、だから、だから……！」
……昔の私に、似てる。
お母さんにかまってほしくて、
お母さんに認めてもらいたくて、
お母さんがつれてきた男の人にちょっかいをかけたり、
意地悪をしていたっけ。
でも、その男の人が嫌いというわけではなくて、
ただ単純に、お母さんを取られたくなかったから。
『……そう、だったんだ』
「ぼ、僕のことは許さなくていいし、もう真冬くんにも君にも近づかない、た、ただ、謝罪だけ！うん！謝罪だけ！！」
顔を真っ赤にした天宮さんはよほど自分から謝るのが恥ずかしいのが、挙動不審になっている。
そんな姿がちょっと可愛くて、クスッと思わず笑いがこぼれてしまった。
『……あの、天宮さんの、わかるよ』
「へ？」
『好きな人を、取られたくないって気持ち、すっごいわかる』
あの時の私は幼くて、わがままで、
お母さんの愛を独占しようとしてた。
『だから、さ、私、相川くんと離れるよ、それで、二人で仲良く……』
私が潔くいなくなれば、きっと天宮さんも良くなるはず。
大切な人に見向きもされないのは、悲しいから。
「ねえ、今何て言ったの？」
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いるよ - あああああああああああ！！！最高です！！なんか最後のところ泣いちゃいましたｗヤンデレにハマってしまった…素敵な作品ありがとうございました！ (2022年12月7日 0時) (
レス) @page45 id: 7464634473 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - とてもよかったです！その後話がもっと欲しい！ (2022年3月9日 1時) (レス) @page45 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
月次 - 僕の好みどストライクのヤンデレです！とっても面白かったです。これでもっと想像の幅が広がる…！ありがとうございました！ (2021年3月28日 9時) (レス) id: 34cc41e784 (このIDを非表示/違反報告)
一ノ瀬かるら(プロフ) - 心臓が泣き叫んでおります大歓喜 (2020年8月23日 0時) (レス) id: 018ad8bd5d (このIDを非表示/違反報告)
鶯餡(プロフ) - 雨月冷さん» 本当にいつもありがとうございます……！！マーライオンwwwそのくらい泣いてくれたんですね！嬉しいです！私も目からマーライオンです！はい！楽しみに待っていってください！ (2020年2月25日 7時) (レス) id: 6bb0fe0dd0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鶯餡 | 作成日時：2020年1月6日 22時
