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『こ、こんの……』
自然と涙は止まっていた。
その代わり、騙されたという怒りだけが蓄積されていく。
「あぁかわいい、僕がちょーっと嫌いっていっただけで泣くなんて。大丈夫。Aの全部が好きだから嫌いになるわけないよ」
『くず野郎がぁぁぁぁぁ!!!』
さっと素早く相川から身を離して回し蹴りをお見舞いする。
……しかし、相川はにこにことしたままそれを華麗に避けた。
「ふふっ、ごめんね。Aが可愛くて」
『ふざけんじゃねえ!!私がどれだけ不安だったか……!!』
「____あ、不安だったんだ」
______あ。
ヤバい。
顔がどんどんと熱くなっていく。
「可愛いっ、そういうところ本当に可愛いねAって。あ、でも浮気はしちゃダメだよ?
Aが浮気するなんて考えたくもないし、僕がなにするかもわかんないんだから」
「あ、あとね、その可愛い泣き顔絶対僕以外に見せちゃダメだよ?
きっと他の男どもは興奮して襲いかかってくると思うからね。
ああ、僕のために泣いてくれて、僕のまえで泣いてくれる……幸せすぎて死にそう」
ふつふつとわき出る相川の台詞に顔が赤くなり、でもまだまだ怒りは貯まっていく。
堪えきれない私は顔を歪める。
そして、その貯められた怒りは溢れだした。
『相川のバカ!!アホ!!おたんこなすにヘロヘロもやし!!もう絶対口利かないからな!!!』
私は言われた通り数日間口を利かなかった。そして現れるのは相川の意外な一面。
ひとつの封筒に十枚は入っている「ごめんなさい」だけが書かれているものを毎日毎日下駄箱に置いて、ちらりと私の様子を伺ってくる。
そして、授業中のときとかもチラチラと私の方を見てきたり、一ノ瀬先輩に聞いた話だが私の名前を呟きながら眠っているらしい。
そのあまりにも執着しすぎる性格に驚きながらも渋々相川を許すと、相川はこの前より私にくっつくようになった。
これが俗に言うヤンデレとかいうやつか。
コワイネ。
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ちょこ - とてもよかったです!その後話がもっと欲しい! (2021年3月14日 1時) (レス) id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
鶯餡(プロフ) - リート@暫く浮上しません。さん» 返信が遅れてしまい申し訳ございません……!!ありがとうございます!そういっていただけてとても嬉しく思います!はい!だらだらします!()コメントありがとうございます! (2019年11月9日 21時) (レス) id: 6bb0fe0dd0 (このIDを非表示/違反報告)
リート@暫く浮上しません。(プロフ) - 完結おめでとうございます。最初から最後まで二回も見るくらい、面白い作品でした。羨ましい。ゆっくり休んで疲れを癒してくださいね。改めまして、完結おめでとうございます。 (2019年10月4日 7時) (レス) id: 5e7567a452 (このIDを非表示/違反報告)
鶯餡(プロフ) - 雨月冷さん» こちらこそいつもみていただきありがとうございます!!このお話、結構ストーリー凝っていたのでそういっていただけると頑張った甲斐があります!はい!是非楽しみにしていてくださいね!頑張ります! (2019年10月3日 23時) (レス) id: 6bb0fe0dd0 (このIDを非表示/違反報告)
鶯餡(プロフ) - 絆さん» こちらこそいつもありがとうございます!!あ、その心配はありませんよ!私、めちゃめちゃずぼらですので!!( ・`д・´)ご心配していただけて誠に嬉しく思います!ありがとうございます!!!! (2019年10月3日 23時) (レス) id: 6bb0fe0dd0 (このIDを非表示/違反報告)
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