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「あー、山本ちょうどいいところに」
『先生そろそろ私のことばっかり使うのやめてくれません?』
待ってたと言わんばかりの顔をして担任は近づいてきた。なんかもう慣れた。
え?私担任から信頼されてんの?いや、嬉しいけどさ?人使い荒くない???
「この教材、資料室に運んでくれないか?」
『はあ』
「じゃっ!」
差し出されたのは、まあまあ私でも持てる数の教材。それを渋々受け取って抱え、担任は光の速さで廊下を去っていった。
担任許すまじ。
はぁ……とため息をつきながら、面倒事に巻き込まれたと後悔する。
『______どうしてこんな厄介事に巻き込ま』
言いかけたときだった。
ドンッ!!と、衝撃と共に床に叩きつけられ、下半身にじりじりとした痛みが走る。
資料は私が倒れた拍子に床に散らばっていた。
『いたた……ごめんなさっ、……』
痛みに顔を歪めながらも、閉じていた目を開き顔をあげる。
息を飲んだ。
「……ごめんね。大丈夫?」
中腰になって女の子なら誰でも羨むであろう真っ白な、大きな手を差し出される。
その奥には、顔の整った超美形な男子が立ち尽くしていた。
『……あっ、えっ、こ、こちら、こそ……』
その顔に見惚れてしまい、言葉を失ってしまった。いや、イケメン過ぎたのだ。
背が高いし、先輩だろうか。更に緊張する。
悲鳴をあげる下半身を無理に起こして立ち上がる……が、床には先生からもらった資料が散らばったままだった。
「……ほんとにごめんね。お詫びに手伝うよ」
『あっ、ありがとうございます……』
わざわざ資料を拾ってくれる相手の人に感謝し、私も資料を拾う。
優しい人だなあ。としみじみ思うと同時に、
相川とは真反対の人だなと何故だか相川のことが思い浮かんでいた。
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ちょこ - とてもよかったです!その後話がもっと欲しい! (2021年3月14日 1時) (レス) id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
鶯餡(プロフ) - リート@暫く浮上しません。さん» 返信が遅れてしまい申し訳ございません……!!ありがとうございます!そういっていただけてとても嬉しく思います!はい!だらだらします!()コメントありがとうございます! (2019年11月9日 21時) (レス) id: 6bb0fe0dd0 (このIDを非表示/違反報告)
リート@暫く浮上しません。(プロフ) - 完結おめでとうございます。最初から最後まで二回も見るくらい、面白い作品でした。羨ましい。ゆっくり休んで疲れを癒してくださいね。改めまして、完結おめでとうございます。 (2019年10月4日 7時) (レス) id: 5e7567a452 (このIDを非表示/違反報告)
鶯餡(プロフ) - 雨月冷さん» こちらこそいつもみていただきありがとうございます!!このお話、結構ストーリー凝っていたのでそういっていただけると頑張った甲斐があります!はい!是非楽しみにしていてくださいね!頑張ります! (2019年10月3日 23時) (レス) id: 6bb0fe0dd0 (このIDを非表示/違反報告)
鶯餡(プロフ) - 絆さん» こちらこそいつもありがとうございます!!あ、その心配はありませんよ!私、めちゃめちゃずぼらですので!!( ・`д・´)ご心配していただけて誠に嬉しく思います!ありがとうございます!!!! (2019年10月3日 23時) (レス) id: 6bb0fe0dd0 (このIDを非表示/違反報告)
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