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「__A様が、拐われた……？」
その知らせを聞いたのは、先程から少したち、脈も呼吸も落ち着いてきた時だった。
平常になっていた脈拍や心拍数は更に上がり、僕のスーツをつかむ手はぎゅっと強くなる。
「___えぇ。先程騎士団が捜索にいったそうです……」
目の前で夕食をおくろんさん。
悲しげな瞳を光らせ、僕にそう告げた。
「___そん、な……」
あのときの嫌な予感は勘違いなんかじゃなかった。地べたに這いつくばってないで、ダルいからだを叩き起こしてまで走らなきゃいけなかったんだ。
……僕のせいだ。僕の体調管理が悪いから。
僕がこんな弱い体だから。
僕が、僕がしっかりしなきゃいけなかったのに。
熱なんて出さなきゃ、側にいてあげることもできたのに。
僕は無意識のうちに顔を歪めていた。
もう何を言えばいいのか、どう言葉にすればいいのか、それすらわからない。
「__だ、大丈夫ですよ！騎士団には優さんって言うとってもすごい隊長さんがいますし……！」
そんな無様な僕をみたろんさんは、僕を必死に慰める。
確かに優くんは優秀だ。
新入りにも関わらずトップへとかけあがった。
……だけど。
僕の隣にあの子をおかないと、心配で。
今、どんな思いをしているかと想像すると、自分の無力さが更に感じられてしまう。
眉を寄せながら目を潜める。ろんさんは何も言わなかった。否、僕に言える言葉なんてなかったんだろう。
今までたくさんのことを頑張ってきたのは、全てA様のため。
全部、あの子を想ってのこと。
それでも僕ができるのはあの子の右手を引っ張って、誘導するだけ。彼女が一人でも歩けるようになったら、そっと手を離す。そんな役割のはずだった。
だけど、もうあの子はきっと一人で歩ける。
置いていかれたくなくて、独りになりたくなくて。あの子の側にずっといたくて……。
あの子の側が埋まってしまったら、あの子が誰かに嫁いで、僕専用の場所を誰かにあげてしまったら。……生きる意味も居場所さえもなくした僕は、きっと精神的にも苦しむ。
だから自害すると言った。
あのとき、キスをしたのだって、告白をしたのだって、本当は覚えてる。覚えてるけど___
「___ろん、さん」
「はい？なんでしょ…………っ！？」
僕は重い体を、ベッドからゆっくりとあげて立ち上がる
そして、近づく彼女の背後をすかさずとって、峰を打ったのだった
「___ごめんなさい」
そういって彼女を寝かせ、部屋をあとにした
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ちょこ - とてもよかったです！結ばれたあとのお話が欲しいです！ (2020年1月15日 20時) (
レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
鶯餡(プロフ) - mokoさん» ありがたいです……！！！ですけど、きちんとお目目休めてくださいね！……ありがとうございます！！頑張ります！(Ｏﾟ皿ﾟＯ) (2019年10月3日 23時) (レス) id: 6bb0fe0dd0 (このIDを非表示/違反報告)
鶯餡(プロフ) - 絆さん» はい！やから始まってので終わる鶯餡です！ありがとうございます！！！！私ハッピーエンド主義者なので、そこ思いが伝わっていましたらとても幸いです！はい！頑張ります！(返信遅れて誠に申し訳ございません……) (2019年10月3日 23時) (レス) id: 6bb0fe0dd0 (このIDを非表示/違反報告)
moko - 最初から最後まで１日で読みきってしまいましたww次の日学校なのにオールしましたwwすっごい面白かったです！これからも頑張ってください！応援しています♪ (2019年9月30日 5時) (レス) id: 711f63988a (このIDを非表示/違反報告)
絆 - やからはじまってので終わる鶯餡さん！！鶯餡さんの作品大好きです！！鶯餡さんの作品はどの作品を読んでいても心が暖かくなります！これからも楽しみにしています！無理はなさらないでください！ (2019年9月7日 19時) (レス) id: da343c4ed4 (このIDを非表示/違反報告)
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