33 ページ33
今から出る新キャラの方便はエセです。主は関西弁しかわかりません()
_____
『____っ！』
意識がぶわっと、浮かぶように目を開いた。
手を額に置くと、汗が涌き出ている。
そして、周りを見渡した。
眼前には牢獄のような鉄格子。周りには更にそれを肯定するかのような石造りの空間だけがあった。
私は急いでその鉄格子に手をつけて、ただただ叫ぶ。
『___誰か！誰かいないの！？』
木霊する、私の声。
ただ、一心不乱に叫び続けた。ガシャガシャと鉄格子を揺らしても、なんにもならない。私の力が非力なのか、それとも鉄格子の素材が固いものなのか。
そう考えていると、先程の行動に答えるかのようにコツ、コツ、と足音が響いた。ゆっくり、ゆっくりと、影が近づく。
何っ……？
そこまで鍛えていない私でもわかるような、暗い気配だった。
体が小刻みに震える。青ざめたまま、私は顔をあげた。
「____俺の
それは、私と同じ目線になるように屈んだ。
黒いローブを着た、背の高い男。
フードの隙間から紫色の髪が出ており、少しだけ見れる顔には、口元はにっとほころんでおり、上にいくとほくろが浮かんでいた。
何処かで聞いたことのあるような、そんな口調。
「__おはよ、お嬢様」
まるで、ハートマークがご身に付くような、甘ったるい声だった。
体は栗だち、ひんやりとしたものが背中に先走る。
ただ床に手をつけるしかできない私は、言葉を探すしかなかった。
だけど、喉がつっかえる。
息をするのも精一杯で。頭も真っ白になっていて。
「……怯えてる？あははっ、そうやなぁ、やよなぁ、……でもだいじょーぶ。ここはだーれもこぉへんよ」
にこにこと笑う黒に、私は更に怯える。
冷たい床が、黒の冷たい声が、酷く私の心に突き刺さる。
……折角、折角あんな夢から、出られると思ったのに……。
誘拐でもなんでも、されたのだろう。
……真冬は、きちんと寝ている？
そらると渉は、探しに来てくれる？
優は、きちんと仕事をしている？
優先すべきは自分のことなのに。
何故だが他の人のことが気になってしかたがない。
___この人は呪いと言った。
きっと、何かそういう力が使えるのだろう。私も悪夢として悩まされた。
……皆がこの場所に来て、もしこの人にあってしまったら……。
そう思うだけで、震えは更にわきだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 777人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちょこ - とてもよかったです！結ばれたあとのお話が欲しいです！ (2020年1月15日 20時) (
レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
鶯餡(プロフ) - mokoさん» ありがたいです……！！！ですけど、きちんとお目目休めてくださいね！……ありがとうございます！！頑張ります！(Ｏﾟ皿ﾟＯ) (2019年10月3日 23時) (レス) id: 6bb0fe0dd0 (このIDを非表示/違反報告)
鶯餡(プロフ) - 絆さん» はい！やから始まってので終わる鶯餡です！ありがとうございます！！！！私ハッピーエンド主義者なので、そこ思いが伝わっていましたらとても幸いです！はい！頑張ります！(返信遅れて誠に申し訳ございません……) (2019年10月3日 23時) (レス) id: 6bb0fe0dd0 (このIDを非表示/違反報告)
moko - 最初から最後まで１日で読みきってしまいましたww次の日学校なのにオールしましたwwすっごい面白かったです！これからも頑張ってください！応援しています♪ (2019年9月30日 5時) (レス) id: 711f63988a (このIDを非表示/違反報告)
絆 - やからはじまってので終わる鶯餡さん！！鶯餡さんの作品大好きです！！鶯餡さんの作品はどの作品を読んでいても心が暖かくなります！これからも楽しみにしています！無理はなさらないでください！ (2019年9月7日 19時) (レス) id: da343c4ed4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
