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……ここは、何処かしら。
そらると渉は？どうして……？
私、誰かにぶつかって……。
目の前に広がるのは、黒。漆黒が多い尽くしているこの空間は、私の不安を掻き立てるのには充分すぎた。
歩いても、歩いても、何もない。何処も見つからない。
『……渉？……そらる？……どこ？』
ただ、この場にいない誰かを呼ぶだけ。
怯える体を手で慰めながら歩く。
どうしたら、一体どうしたら、……。
「A様」
声がした。私のよく知る声。小さい頃から聞いてきた声。
そして、にっこりと微笑む彼とそっくりな人。
いや、彼自身なのだろうか。
『……ま、ふゆ？……』
そう。赤い瞳。真っ白な肌。銘崎家の執事服。
いつも無表情な彼は、少し気持ち悪いくらいにこにこしていた。
後ろに手を回して、驚く私に平然と近づいてくる。
「はい、僕です。真冬です」
『……よかった、……真冬もいたのねっ……！』
私は安堵が沸き上がり、彼に飛び付く。
ぎゅっと抱き締めるが、何か違うような。違くないような。
それを考えている暇も作らせないまま、彼は告げた。
「もう大丈夫ですよ……僕がいますから」
『……うんっ、』
ポロポロと涙がこぼれてくる。
彼の暖かな声が、私を心から満たしてくれる。
あぁ……何だかずっと、このままで…。
「僕が全てしますよ。もう嫌な勉強もしなくていいです」
「A様のためなら、どんなことだってしてみせます。したいんです」
「ずっとずっと、辛かったでしょう？」
「悲しい思いばかりさせてしまって、ごめんなさい」
「でももう大丈夫です。僕は永遠に貴方の味方です。貴方の肩を、背負って見せます」
『……うんっ、……うんっ！ありがとう……』
優しい彼。
このまま、身を委ねるのもいいかもしれない。
そう、そしたら何もかも、解放されるはず……。
「__僕は、貴方のことが好きですから」
その瞬間、私の胸元にあるブローチは小さな輝きを放つ。そして、声が聞こえた。
酷く暖かで、熱いくらいの声が。
ーーー「____僕のお隣です。A様」
ーーー「嫌われることをしてもいいよ？でも、俺はそれでもあんたを愛してるから」
_____あ、れ……。
記憶の中の彼は。
……私の知ってる彼は。
そうやって笑わない。いつも無表情で。
でも時々、クスッと微笑む。そんな顔が、いつもの表情と共に愛しくて。
『___あ、なた、誰？……』
ただ、怖くなっていく自分がいた。
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ちょこ - とてもよかったです！結ばれたあとのお話が欲しいです！ (2020年1月15日 20時) (
レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
鶯餡(プロフ) - mokoさん» ありがたいです……！！！ですけど、きちんとお目目休めてくださいね！……ありがとうございます！！頑張ります！(Ｏﾟ皿ﾟＯ) (2019年10月3日 23時) (レス) id: 6bb0fe0dd0 (このIDを非表示/違反報告)
鶯餡(プロフ) - 絆さん» はい！やから始まってので終わる鶯餡です！ありがとうございます！！！！私ハッピーエンド主義者なので、そこ思いが伝わっていましたらとても幸いです！はい！頑張ります！(返信遅れて誠に申し訳ございません……) (2019年10月3日 23時) (レス) id: 6bb0fe0dd0 (このIDを非表示/違反報告)
moko - 最初から最後まで１日で読みきってしまいましたww次の日学校なのにオールしましたwwすっごい面白かったです！これからも頑張ってください！応援しています♪ (2019年9月30日 5時) (レス) id: 711f63988a (このIDを非表示/違反報告)
絆 - やからはじまってので終わる鶯餡さん！！鶯餡さんの作品大好きです！！鶯餡さんの作品はどの作品を読んでいても心が暖かくなります！これからも楽しみにしています！無理はなさらないでください！ (2019年9月7日 19時) (レス) id: da343c4ed4 (このIDを非表示/違反報告)
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