もしも、あなたが彼氏になったなら【Ryuta.M】

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SideA


気付くと何度か見た花畑に立っていた。


ルーナ「全く。君も勝手だね」


A「ルーナ！」


ルーナ「彼女になりたいって言ったり、

彼女を辞めたいって言ったり」


A「う……。ごめん」


ルーナ「でも、叶えた願いを取り消して欲しいって

言ってきたのは君が初めてだよ」


A「え……？」


ルーナ「今まで何百人という人たちの願いを叶えてきたけど

みんな自分勝手で他人のことなんて考えてもなかった。

だから、人間は嫌いだった」


A「ルーナ……」


ルーナ「でも、君は違ってた。

最初こそ、自分の望みだったけど

君は、きちんと相手のことも考えてた。

君だけは他の人と違うのかもしれないね」


ルーナはそう初めて優しく言った。


ルーナ「……ほんとに、辞めちゃっていいの？」


A「うん。こんな私が龍太くんのそばにいる

価値はないから」


ルーナ「そこまで言うなら……。

その願い事を解く方法は1つ。

満月の夜8時に両手を握って目を閉じて唱えたら

その願い事はなくなるよ。

君に関わった人たちの記憶から

君のことを全て消すことになるよ」


A「次の満月っていつ？」


ルーナ「1週間後だよ。本当に実行するかは君次第。

最後は君の判断に任せるよ」


そう言ってルーナは微笑んだ。


ルーナ「じゃあね。君のお陰で楽しかったよ。

……………………A」

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