28話 ページ28
「付き合ってる時も清川全然素っ気なくてさぁ！デートに行こうって言っても、人混み嫌いだからいかねえとか言って！」
「おい遥」
「Aちゃんに優しい？もしこいつが酷いことしてきたら直ぐ言ってね！ぶっ飛ばしてやるから！」
キヨ兄ちゃんはイラついた様子で遥さんの手を掴むと、引き寄せた。
「おめぇは相変わらずお喋りだな」
「清川も口の悪さは変わんないね」
2人はしばらく見つめあった後、同じタイミングで吹き出した。
すると遥さんは私の知らない話をキヨ兄ちゃんに囁いた。
やれあいつが結婚したとか、あいつは就職したとか。
2人に入る隙間がなくて1歩、また1歩後ろに下がる。
なぜか遥さんに透明な壁を感じ、キヨ兄ちゃんに話しかけられない。
キヨ兄ちゃんは私が後ろに下がった事に気づかないほど、遥さんとの話に夢中になっている。
キヨ兄ちゃん、見たことないぐらい落ち着いた顔してる。
きっと、キヨ兄ちゃんの好きな人って…遥さん。
キヨ兄ちゃんの家に泊まった時の事を思い出す。
『彼女じゃねぇんだ。ずっと好きな人がいて』
いつか、そうなれたらなって。
なんで遥さんと別れたのか、私にはわからないけど。
今わかるのは1つ。
ここに私の居場所はない。
気づいたらキヨ兄ちゃんの制止を振り切って走っていた。
流石のキヨ兄ちゃんでも、この人混みだ。
私を捕まえられないだろう。
周りの人達は泣きながら走っている私をみて、びっくりしつつ道を開けてくれた。
情けなくて、悲しくて、遥さんとキヨ兄ちゃんを忘れたくて、どこへ向かってるのかもわからず足を早める。
「っはぁ、はぁ…」
乱れに乱れた息を整える。
花火大会の会場の左側にある、子供の頃に探検してた古びた神社。
周りに木々が生えており、花火大会側からはこちらは見えにくいし人は滅多に来ない。
神社の柱に背中を預け、ズルズルと座り込む。
ゆっくり息をすい、吐き出す。
早まった心臓の音が落ち着いてゆく。
「…あの、Aちゃん？」
前から声がして、勢いよく顔を上げると見慣れた黒髪。
その人は肩で息をしており、膝に手を置いて息を整えている。
「いや…花火大会行こうと思ったら、Aちゃんに似てる女の子が泣きながら走ってたから…お、追いかけて来ちゃった」
ゆっくりとした動きで私の隣に座ると、フジさんはシャツをパタパタと仰いだ。
そして息を1つはいた。
「当てていい？好きな人となんかあったでしょ」
びくっと肩が大袈裟に揺れる。
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*:まりな:*(プロフ) - 夢吏ちゃんさん» レスありがとうございます！通知溜まりすぎで…完結した時すぐに見れなくてごめんなさい！お気に入り作者にも登録しました！…結構前だけど…。これからも頑張ってください！1ファンとして応援してます！ (2020年5月26日 16時) (
レス) id: ce0c123210 (このIDを非表示/違反報告)
夢吏ちゃん(プロフ) - *:まりな:*さん» ありがとうございます…！！えへへそんなに褒めて貰えて嬉しいです！ありがとうございます！次作でもお会いできたら嬉しいです！ (2020年5月25日 17時) (レス) id: 83cad32c9a (このIDを非表示/違反報告)
*:まりな:*(プロフ) - わああああ！完結おめでとうございます！はぁもう…泣きました。（これほんと）タメ口やばいと思いましたか？私は思いました。知らねぇよ。いやー、なんかもう…満足です！作者さん！愛してる！ぶちゅ (2020年5月21日 23時) (レス) id: ce0c123210 (このIDを非表示/違反報告)
夢吏ちゃん(プロフ) - 甘党。さん» 初めましてコメントありがとうございます！ずっと見て頂いてたんですね…！甘党。様が見て下さっていた1hitが凄く励まされました…！次の小説も近々公開しますので…！自作でも応援のほどよろしくお願い致します！ (2020年1月12日 4時) (レス) id: 83cad32c9a (このIDを非表示/違反報告)
甘党。(プロフ) - 完結おめでとうございます…！今までコメントはしなかったんですけどずっと見てました！次の小説も全裸待機させていただきますね^ ^ (2020年1月5日 10時) (レス) id: 93d0b6d41e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢吏ちゃん | 作成日時：2019年5月6日 10時
