11話 ページ11
｢もう大丈夫だから…｣
｢大丈夫じゃねぇお前はすぐどっか行くからな｣
キヨ兄ちゃんはジロっと私を睨むと、それを私に見せつける。
｢手なんてよく握ってただろ。今更恥ずかしがんなよ｣
キヨ兄ちゃんは意地悪気な表情で笑うと絡めた指に力を込めた。
だってこれ、恋人繋ぎ…。
キヨ兄ちゃんは涼し気な顔でパンフレットをみている。
周りを見ると他のカップルも私達と同じように手を繋いでいる。傍からみたら私達もカップルにみえるかな。
｢お化け屋敷だって。行く？｣
｢キヨ兄ちゃんがいるなら…だいじょぶ｣
うっと顔をしかめつつ、キヨ兄ちゃんの顔を見上げる。
キヨ兄ちゃんはいたずらっ子のような顔で笑うといかねーよと呟いた。
｢お前昔から怖い話とかお化けとか苦手だもんな｣
｢うっ…今は多少大丈夫になったんだよ。ホラゲ実況とか見てるし｣
｢へぇ？実況見てんのか。誰見てんの？｣
キヨ兄ちゃんも実況知ってるの！？
キヨ兄ちゃんと同じもの見てるって、なんか嬉しいな。
私は笑顔を隠さず、あのねと言葉を続けた。
｢色んなゲーム実況してるんだけどね、その人すっごくうるさいの。でもね見てるとこっちまで楽しくなる人でね。キヨ兄ちゃんにもオススメだよ｣
｢だれだれ？レトルト？｣
｢んーん違うよ！キヨ兄ちゃんと名前が似てるんだけど、キ…｣
ポタ。と地面に落ちた音。
次第にそれは雨音だと気づく。
それはどんどん地面を黒くし、激しくなっていく。
｢わ！！雨！？｣
｢っ車まで走るぞ！！｣
キヨ兄ちゃんは来ていた上着を私の頭に被せると私の肩を抱いたまま足を走らせる。
キヨ兄ちゃんに頭を押さえつけられたまま走っているから周りの人は見えないが、周りも雨から逃げているようだ。
せっかくいい天気だったのに。
やっとキヨ兄ちゃんの車までつき、車に乗り込む。
乱れた息を整えつつ、キヨ兄ちゃんは車のエンジンをかけ暖房をつけた。
｢っはぁ、はぁ…ごめんね上着濡れちゃった…｣
｢あ？いいよ…気にすんな｣
キヨ兄ちゃんは濡れた髪をかきあげると眉を寄せた。
そんな所もかっこいいねって言ったら睨まれそうだったから喉から胃の方まで飲み込んでおいた。
｢…帰るか｣
｢えっ…うん｣
せっかくのキヨ兄ちゃんとのお外デートだったのになぁ。
少し唇を尖らすと、キヨ兄ちゃんは呆れてわらった。
｢外で遊ぶ時間ぐらい作るから。また来ようぜ｣
なんてキヨ兄ちゃんが笑うから、私も笑顔で頷いた。
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*:まりな:*(プロフ) - 夢吏ちゃんさん» レスありがとうございます！通知溜まりすぎで…完結した時すぐに見れなくてごめんなさい！お気に入り作者にも登録しました！…結構前だけど…。これからも頑張ってください！1ファンとして応援してます！ (2020年5月26日 16時) (
レス) id: ce0c123210 (このIDを非表示/違反報告)
夢吏ちゃん(プロフ) - *:まりな:*さん» ありがとうございます…！！えへへそんなに褒めて貰えて嬉しいです！ありがとうございます！次作でもお会いできたら嬉しいです！ (2020年5月25日 17時) (レス) id: 83cad32c9a (このIDを非表示/違反報告)
*:まりな:*(プロフ) - わああああ！完結おめでとうございます！はぁもう…泣きました。（これほんと）タメ口やばいと思いましたか？私は思いました。知らねぇよ。いやー、なんかもう…満足です！作者さん！愛してる！ぶちゅ (2020年5月21日 23時) (レス) id: ce0c123210 (このIDを非表示/違反報告)
夢吏ちゃん(プロフ) - 甘党。さん» 初めましてコメントありがとうございます！ずっと見て頂いてたんですね…！甘党。様が見て下さっていた1hitが凄く励まされました…！次の小説も近々公開しますので…！自作でも応援のほどよろしくお願い致します！ (2020年1月12日 4時) (レス) id: 83cad32c9a (このIDを非表示/違反報告)
甘党。(プロフ) - 完結おめでとうございます…！今までコメントはしなかったんですけどずっと見てました！次の小説も全裸待機させていただきますね^ ^ (2020年1月5日 10時) (レス) id: 93d0b6d41e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢吏ちゃん | 作成日時：2019年5月6日 10時
