2話 ページ2
慌てて靴を履き、玄関のドアを忙しなく開ける。
と、見慣れない車に見慣れない人が家の前に立っていた。
しかも髪の毛は目が覚めるような赤でだるそうにスマホをいじっている。
え、待ってヤンキー！？なんで家の前にヤンキーいるの！？
怖い怖い無理無理。
なるべくヤンキーと目を合わせないように視線を下にしたまま通り過ぎようと、ヤンキーの前を通る。
｢おい｣
｢ひょぇ！！｣
ヤンキーに腕掴まれたあああちょっと待って下さいまだ死にたくないですまだ彼氏だって居ないんです本当死にたくないですやめてえええ。
なんて面と向かって言えるはずもなく、ただ固まっていると、ヤンキーは怪訝そうに眉をひそめた。
｢Aだよな？｣
｢あっ、え、そ、そうでしゅ…そうです…｣
ヤンキーは私がAだと分かると嬉しそうに笑った。
｢やっぱりな、ひと目でわかった。お前は相変わらず変わってねぇな！｣
相変わらず…？変わってない…？
そして髪型は違うけど、見覚えのある笑顔。
まさか、まさかこのヤンキーは…。
｢き、キヨ兄ちゃん…？｣
｢そうだけど…って今思い出したのかよ！｣
ええええほんとにキヨ兄ちゃん！？
だって私の知ってるキヨ兄ちゃんは赤髪なんかじゃなくて、こんなヤンキーっぽくなくて…。
ってそれよりも！
｢…ずっと会いたかったんだよ？受験で会えないのは分かってたけど、受験終わって高校入学したと思ったらあんな遠くの学校行っちゃうし｣
｢わりぃ…俺も会いたかったよ｣
キヨ兄ちゃんは昔と変わらない笑顔で笑うと、あっと顔を変えた。
｢お前学校は？｣
｢…やばあああいそういえば遅刻寸前だったああ｣
急いで走り出そうと振り返ると、キヨ兄ちゃんに腕を引っ張られる。
そのままぐいぐいと車の方まで引っ張られ、助手席の中に押し込まれる。
キヨ兄ちゃんは周りを見渡すと、運転席へと乗り込んだ。
｢送ってくれるの…？｣
｢時間やべぇんだろ。高校どこ？｣
キヨ兄ちゃんはカーナビを触り、私が高校の名前を言うとあそこか。と呟いた。
｢シートベルトできまちたか〜？Aちゃん｣
｢もう子供じゃないからできますぅ！！｣
急な子供扱いにむっと頬を膨らませると、キヨ兄ちゃんは吹き出した。
｢そうだよな…もう子供じゃねぇんだよな｣
｢え？何？｣
｢いや？子供っぽいとこは変わんねぇなって｣
ムカついたのでとりあえず肩を殴っておいた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 348人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
*:まりな:*(プロフ) - 夢吏ちゃんさん» レスありがとうございます！通知溜まりすぎで…完結した時すぐに見れなくてごめんなさい！お気に入り作者にも登録しました！…結構前だけど…。これからも頑張ってください！1ファンとして応援してます！ (2020年5月26日 16時) (
レス) id: ce0c123210 (このIDを非表示/違反報告)
夢吏ちゃん(プロフ) - *:まりな:*さん» ありがとうございます…！！えへへそんなに褒めて貰えて嬉しいです！ありがとうございます！次作でもお会いできたら嬉しいです！ (2020年5月25日 17時) (レス) id: 83cad32c9a (このIDを非表示/違反報告)
*:まりな:*(プロフ) - わああああ！完結おめでとうございます！はぁもう…泣きました。（これほんと）タメ口やばいと思いましたか？私は思いました。知らねぇよ。いやー、なんかもう…満足です！作者さん！愛してる！ぶちゅ (2020年5月21日 23時) (レス) id: ce0c123210 (このIDを非表示/違反報告)
夢吏ちゃん(プロフ) - 甘党。さん» 初めましてコメントありがとうございます！ずっと見て頂いてたんですね…！甘党。様が見て下さっていた1hitが凄く励まされました…！次の小説も近々公開しますので…！自作でも応援のほどよろしくお願い致します！ (2020年1月12日 4時) (レス) id: 83cad32c9a (このIDを非表示/違反報告)
甘党。(プロフ) - 完結おめでとうございます…！今までコメントはしなかったんですけどずっと見てました！次の小説も全裸待機させていただきますね^ ^ (2020年1月5日 10時) (レス) id: 93d0b6d41e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夢吏ちゃん | 作成日時：2019年5月6日 10時
