【オリオンの刻印】日本の女神？元通り魔ですが (ページ16)

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第12人目突きつける者ページ16

「ホーホッホ！どうしたのですか、金山さん？」
「…昨日の韓国戦のことですが」
あの試合の翌日、やけにだだっ広い監督の部屋に押し入った。
「それですかぁいやー昨日はお疲れ様です！素晴らしい活躍でしたよ！」
バン！
「…そういうことではなく
試合中、何かおかしいとは思いませんか？」
「ほう…というと？」
「おかしい点１つ、豪炎寺さんの怪我のこと。
本人は目眩ましにあった直後に怪我を負ったと言っています。それも眩しい光で。普通こんなこと起こりませんよね？ペク・シウのスパイクには鏡が仕込まれてました。作為的に行ったとしか考えられません。」
一瞬監督を見る。表情は変わらない。
「２つ、敵のラフプレー。
確かに韓国はラフプレーを強みにしているチームです。しかしそれは対戦相手にだけ。
味方にまで行うのは有り得ないんです。どのチームも。韓国のキャプテン、ソク・ミンウはペクと少し口論になった後味方による攻撃を受け退場しました。」
「３つ、これは効力が無いかもですが…
一星充は試合前にこう独白していました
『この試合、日本は負ける』とね」
目がニヤリと笑う。
ふう、と息を大きく吐く。
「率直に聞きます。FFIには何かあるんじゃないんですか？」
「中々面白い意見ですねぇ
しかし議論が超越しすぎている。その根拠は？」
「ペクも＿_一星充も、国家親善友好大使だからです」
そして一星についても幾つか＿_

作戦会議の後、一星は円堂さんと練習をしていました。ほら、情報が無いとか言ってたあれの後です。
私はその練習場所を通りがかっていました。
まあ初めは仲良くしてるなとしか思ってませんでした。
ですがそれは間違いでした。
一星が針の仕込んだボールをシュートしたんです。
すぐさま私は別のボールで弾きました。吹っ飛んだボールの針は壁に刺さって止まりました。それでようやく円堂さんは気づきました。当の本人はしら切ってましたけど。
もし円堂さんに刺さってしまったら最悪命に関わることです。チームを、しかも主将を襲うようなことをする人を私は味方とは思えません。

しばらく沈黙が流れた。その沈黙を破ったのは監督の一言だった。
「中々核心を突きますね」
「しかしあなたは知っているでしょ？チームから外すことは出来ないと。せいぜい見張ることしかねぇ」
そういうことか。
「お手伝いをして貰います、一星君を監視して下さい。そして、彼らの暗躍を止めて下さい。」
そのための人材なんですから。