イケメン力カンスト娘【ヒロアカ】 (ページ26)

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第9話お見舞いページ26

轟｢蜜、見舞いに来た、ぞ.........？｣

貴方｢あぁ、久しぶりだな焦凍。どうした？鳩が豆鉄砲くらった顔して｣

相澤が病室に来てから2日ほどたった後、轟はわざわざ遠い病院まで見舞いに来た。

そこまで社交的ではない轟が、何故ここまで蜜蝋に執着しているかは分からない。

轟｢お、まえ髪......｣

高そうなフルーツの入ったカゴを落として、思わず指さす轟。

その指の先には髪がもう床に着く長さまで伸びた蜜蝋が苦笑いしていた。

貴方｢あー切っても切っても伸びるんだよ。いちいち切るのが面倒臭いから、まとめて伸ばしてパパっと切るんだ｣

轟｢こ、個性の副作用か？｣

貴方｢んーちょっと違うけどまあそれでいいや｣

轟｢似合ってるとても綺麗だ｣

貴方｢え、待って。なんで俺が口説かれてんの？｣

ストンっとベッドの端に座った轟は、サラサラと黒髪を梳く。

蜜蝋はすごく複雑な顔をしていた。

轟｢今日、体育祭の説明があった｣

貴方｢あーもうすぐだなぁ。そういえば｣

轟｢蜜は出れるのか？｣

貴方｢...............わかんなぁい。早めに回復したら出れるかも｣

轟は蜜蝋に繋がった、少ないとは言いがたい量の点滴を見た。

肌にツヤがあるし、ニコニコ笑っている顔は至って健康そうだが、なんせ顔色が悪い。

轟｢まぁ、無理しなくていい。精神的な副作用なんだろ？｣

貴方｢おっと、焦凍なら無理矢理でも治してこいって言いそうだけどな｣

轟｢俺もそこまで鬼じゃない。蜜とは戦ってみたいが、半端なに勝っても意味ないしな｣

貴方｢勝つ気満々かよ。あー俺も出たいなぁ。焦凍と本気でバトってみたかった｣

轟｢まず治せ。なんか果物剥いてやる。何がいい？｣

貴方｢メロン｣

轟｢果物ナイフで切れるかそれ.........？｣

片手にメロン、片手に小さな果物ナイフを持ってうーんうーんと唸る轟。

その横から点滴の刺さっていない方の手でメロンを支える蜜蝋。

轟｢なんか、あれみたいだな。結婚式のやつ｣

貴方｢ケーキ入刀？｣

轟｢それだ｣

貴方｢メロン入刀してるけど全っぜん刃が通りませんねぇ！！メロンかったい！！｣

轟｢楽しいな、共同作業｣

貴方｢え、焦凍はまだケーキ入刀ごっこしてるの？共同作業はいいからもっと力入れろ｣

轟｢焦凍大好きって言ってくれたらいいぞ｣

貴方｢はいはい焦凍大好きだよー.........は？｣

スパァンと綺麗に切れたメロン。

包丁を握りながら、轟と蜜蝋は数秒見つめあった。