イケメン力カンスト娘【ヒロアカ】 (ページ19)

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蜜蝋は自分の周りが阿鼻叫喚となっているのを確認し、左手を上げた。

そして次は左の指を鳴らした。すると、浮かんでいた大きな5色の球体はいくつかに分裂し、不純物を取り除きながら小さくなっていく。

個性【抽出】のもう1つの力、凝縮。

不純物を取り除くのは、その方が効果が上がる為である。

この時点でヴィランから5色の液体が流れ出ることは止まった。

貴方｢ヴィランはヒーローを殺しにくるのに、ヒーローはヴィランを殺せないのは不便だよな。瀕死より殺す方が圧倒的に楽に決まってんのに｣

ポツポツと、独り言。周りにヴィランはいるが、誰も聞いていない。

蜜蝋は凝縮して小さなサイズになった飴玉を、ポーチに入れた。

貴方｢実際、お前らは俺を殺しに来てたし、それに俺も甘んじていた。痛くなかったしな｣

近くに転がっていたヴィランを蹴飛ばす。

確かにコイツは藤色の液体を体から出していた。が、そんなもの蜜蝋は関係ない。

蹴飛ばされたヴィランは、騒ぐことはなく、｢あ、あ、あぁ｣とただ繰り返す。

貴方｢精神疾患、症状は思考退行？いや、幼児化かな？意識はあるが、思考がダメになっているな｣

そのヴィランの髪を持ち上げ、マジマジと見る。

目の焦点はあっておらず、指をくわえ、涎を口から流す。

貴方｢んー......幼児化かな。これはなったら嫌だなぁ｣

ヴィランを掴んでいた手を離し、もう1回蹴飛ばす。

抵抗もせず転がっていくヴィラン。

蜜蝋はまた藤色の飴玉を取り出して、口に加えた。

そして、相澤が倒れていた所に目をやる。

そこには、脳の異形の前にいる緑谷。

さっきの手の男に捕まえられかけた蛙水、の姿があった。

蜜蝋が地面を蹴り、助けに行こうとした時。

バァンッと大きな音を立てて扉が開く。

この広い施設全体が、希望に包まれる。

象徴のお出ましだ。