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侑李side





ひんやりとした肌の奥から
しっかりと感じる彼の体温。

トクトクと鼓動をたてては
白衣の袖を弱々しく掴みながらも抱きついてくる。


そんな彼の背中をトントンと
規則正しいリズムで擦ってやれば

小さな体の震えが少しずつ
落ち着きを取り戻していった。




侑「 …ねぇ、慧。
確かに慧が言ってる事は事実かもしれない…けど、」




人はみな、
嫌なことをよく記憶する。

すぐにでも忘れたい苦い過去を
やけに細かく、鮮明に。


そして考えるんだ。


どうしてそうなったのか、原因が何なのか
自分はどうしたらよかったのか…と。


もしその過去の中で
大切な人を失ったのならば

その時はよりいっそう
自分への責任感がのし掛かる。


そうして悩んだ末に辿り着くのは
『 後悔 』と『 罪悪感 』の感情だけ。


でも僕は
それが分かった上で、こう思うんだ。




侑「 だからって自分を責めても意味ない。
言い方厳しいけど、変えられないだよ…過去は 」




慧の両親があの事件に巻き込まれるのだって
慧が苦しむ事になるその未来だって

誰が想像し、誰が予想出来ただろうか。


その答えはただひとつ。
神様しかいないんだよ、きっと。


全人類の未来や人生は
姿も性別も声だって知らない

『 神様 』と称えられるその存在が
全てを担ってる。



そう言っても嘘にはならないでしょ?



だから誰にも予想できない
突如に起きる出来事に、人々は苦しみ、傷つく。

そしてその過程を過ごす事で
人は強くなる。



なんて言うけどさ…




侑「 まぁ全部綺麗事、だよね。
ごめん…そんな事言われてもって感じでしょ 」




自分で言っといて
我ながらにムカつく事言ってんなぁ…なんて
そう思ったんだけど


僕の腕の中で小さくなっていた慧が
ゆっくりと手を離し、少し潤んだ瞳で見つめてきた。




慧「 ムカついた、けど………ありがと 」




ポロっと一粒の涙を流しながら
上目遣いで小さく微笑んだその笑顔。




ねぇ、涼介。


僕は涼介みたいに出来たかな?
慧を少しでも救えたのかな?





答えのないその問いに
そっと耳を傾けてくれたのは



一瞬の輝きと共に流れ去る
1つの流れ星、だけだった。



,

○愛情の贈り物→←▼



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新道踏切(プロフ) - 最近見つけて読んだら止まらなくなりました!更新楽しみにしてます(●´▽`●) (2021年1月3日 16時) (レス) id: 7158c48a17 (このIDを非表示/違反報告)
りみ(プロフ) - にゃごさん» コメントありがとうございます!ほんとに嬉しいです!!これからも読んでいただけるよう頑張りますね! (2020年3月27日 20時) (レス) id: 5d5b508ed3 (このIDを非表示/違反報告)
りみ(プロフ) - のぶちゃんさん» お待たせさせてしまいすみませんでした。コメントありがとうございます!!今後もどうかよろしくお願いします!! (2020年3月27日 15時) (レス) id: 5d5b508ed3 (このIDを非表示/違反報告)
りみ(プロフ) - みおさん» お待たせしてしまい申し訳ないです。コメントありがとうございます!!今後もよろしくお願いします!! (2020年3月27日 15時) (レス) id: 5d5b508ed3 (このIDを非表示/違反報告)
りみ(プロフ) - いのひかゆうやさん» 遅くなりましてすみません。コメントありがとうございます!!今後もよろしくお願いします!! (2020年3月27日 15時) (レス) id: 5d5b508ed3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りみ | 作成日時:2017年10月15日 13時

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