男勝りとか言うなよお“ぉ”【w/r/w/r/d】

男勝り33 ページ35

ri side






『ほんっっっっまにごめん！！』





Aは私の目の前で頭がめり込みそうなほど土下座をかましていた





貴方ここショッピングモールよ





Aの「莉緒大好きよ？」を録音したから良しとしよう





正直そこまで怒ってはいないが、少しだけ意地悪をしてやろうと思った





本当は話したくて話したくて仕方がなかったが無視を決め込んだ





電車でも無言。思わず話しかけたら意味がないからヘッドホンもつける






ヘッドホンをつけてから十数分後






二、三人の男達が私の方へ近寄って来た





ヘッドホンをしているから一人だと思ったのだろうか





ニヤニヤしている男達を無視していると肩への優しい感触がした








『…おい、俺の女やで』








男達を睨みながら小さな声で威圧した






ヘッドホン越しに彼女の高圧的な低い声が私の耳に響き渡る





真っ赤な顔を見られたくなくて、また無視を決め込んだ









私を狙う男達に対しては敵を威嚇するような鋭い眼をしていたのに、私の前では叱られた子犬のような態度で何度も謝ってくるA





彼女は私だけを見てくれている、私に許しを乞いている、それだけで嬉しかった






『じゃあ…また明日な？』





こんなに酷い事をしたのにまた明日も私と一緒にいてくれる。









___また同じ事をやれば、私にしか視線が行かなくなるのだろうか。





そう考える私はやはり彼女に依存しているのだろう。

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