神樹に集いし者たちよ【神樹を守る子ら】【リレー小説】

戦略一つ目 ページ10

氷我は誰もまだ来ていない部屋でボードを見ながら口元に手を置いて戦略を練っていた。

「まだだ、もっと思考を巡らせなければ相手の思う壺だ。何としてでもこの作戦は成功させたい」

持っているメモ帳と今までの戦略を見合せながら作っていく戦略。誰にも攻略出来ないような策が出来上がる。

しかし、どこか物足りない気がした。この続きは今度にしようと思い、鞄の中にしまってある常備しているチョコレートを口に含んだ。
やはり頭を使った後の甘いものは特別美味しく感じる。人差し指についたチョコレートをペロリと舐めた。

「そうだ。ちょっと気になることがあったんだ」

立ち上がり診療所まで歩いていく。この前の戦略でどれだけの負傷者がいたかのデータを見ようとした。中に入り声をかけるとその資料を持ってきてくれた。

「(前より負傷者は減っている……が、やはり夜斗くんは結構な傷を負っているな)」

夜斗のためにと思いやりやすい作戦を作った作戦だが夜斗から嫌われている。何故なら魔法使いと親友という関係を知られてしまったからだ。

「確かに悪いやつもいるんだけどアイツは違うんだぞ」

その親友に会わせたいと思うがそんなことしたら親友に夜斗が殺られ兼ねない。その欲をグッと押し込んでその部屋から出た。

お菓子が二つ→←裏表が一人

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