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しばらく歩き進んでいくと、ようやくスタジアムの姿が見えてきた。
井吹「試合はもう始まってるんじゃないか？」
神「あぁ、急ごうっ。A、大丈夫か？」
『え、えぇ……わっ！』
Aが足を滑らせ落下しそうになった時、神童が咄嗟に腕を掴み助けてくれた。
『あ、ありがとう……』
神童は優しく微笑み、そしてまた歩きだした。
『(何、今の笑み……)』
ただでさえ暑いのに、Aの身体は更に熱くなっていた。
更に進んで行くと、火山が活発に活動している区域に到着した。時折火山の噴火で揺れが生じて物陰で身を守りながら進んでいく。
井吹「大丈夫かなあいつら」
神「長老は気になることを言っていた……
もしガードンが全員攻撃を仕掛けてきたら、攻めるな……と」
スタジアムへ向かう前、長老に言われた一言を思い出す。
井吹「あれか……あの爺さん、適当なこと言って俺たちを混乱させる気じゃないのか？」
神「その可能性もあるが……ただ、あの目は何かを伝えようとしているみたいだった」
『今さらあの鳥が、そんな小細工をして貶めようとするとは思えないけど……』
井吹「そんなことより、ゴールを守ってる西園の事が気になるぜ」
神「俺は信助を信頼している。大丈夫さ」
『あのチビ、見た目の割には力もあるし、大丈夫なんじゃない？』
井吹「！……神童、A、その……聞きたいことが……」
神「なんだ？」
その時、近くの火山が噴火し道が巨大な岩で塞がれてしまった。
井吹「道が塞がれちまったっ」
『はぁ……ここを登るしかないわね。さっさと行くわよ』
Aは率先して急な崖を登っていった。
井吹「あれだけ崖に登るの嫌がってたくせに」
『こんなところで死ぬよりマシでしょ！』
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作者名：梅こんぶ | 作成日時：2020年2月8日 0時
