痛みを感じない女 Part５【イナギャラ】 (ページ45)

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天馬と瞬木のポジションが入れ替わり、試合が再開する。

『さぁ……君のサッカーを見せてくれたまえ、松風天馬君』

天「見せてやる！俺のサッカーを！」

天馬は次々とイクサルフリートを突破していく。

そのプレーに誰もが唖然としていた。

葵「どうして……？あんなプレーしてたら誰もついてこれないよっ」

座「それが、監督の狙いかもしれません」

葵「えっ？」

葵がAの方を見つめた。Aは小さく笑みを浮かべて天馬を見ている。

『君達、天馬君の特技は勿論分っているね？』

Aがそう言うと信助は何かに気付いたように声をあげた。

信「そうか！天馬の得技はドリブルだ！」

『そう……あのドリブルはまさに天性のもの。あれが本来の彼のサッカーなのだよ』

葵「あれが、天馬のサッカー……」

座「監督と瞬木さんは、キャプテンのあの姿を引き出したかったんでしょう」

信「あの姿……」

『相手を思いやり、信じて前に進む強さを心に秘めた天馬君は、まさに理想だ。

特に、今回のサッカーは素人だらけ……よりキャプテンらしさを求められた。

しかしそれではオズロックの闇には勝てない。……天馬君の本来のサッカー無しじゃね』

皆を見れば、天馬の圧倒的な運動量の前についていけなくなっていた。

天「皆どうした！俺についてこい！俺のサッカーについてこい！」

『松風天馬……その溢れんばかりの光は、闇をも覆い尽くすことができる。

そしてその光はやがて、彼自身の力を最大限にまで引き延ばす』

その瞬間、天馬のソウルが発動し天馬のホースからペガサスへと進化を遂げた。