日本の道化の月 Ⅱ【イナオリ】 (ページ33)

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それからAは灰崎に口にガムテープを貼られ強制的に黙らされた。

『んーーー(ひどいよ灰崎)』

灰「お前はそこで黙って聞いてろ」

『んーんーー(何も縄まで縛らなくてもいいじゃないか。もしかして灰崎ってそういう趣味？)』

灰「んなわけねーだろうが！妙な勘違いすんな！！」

風「なんで会話が通じてるんだよ；」

そして岩戸は話を続けた。

岩「円堂さんは一人ぼっちと言ってたでゴスが、実は一星君には弟がいるんでゴスっ

俺、その事情を知ってしまったでゴスっ……

一星君の弟の光君は、重い病気にかかっているんでゴス……きっと一星君は光君を助ける為に悪の組織の言いなりになっているんでゴスっ

それに、一星君が怪しい奴と会っているのを見たでゴスっ……

その時の一星君の表情、悲しそうだったでゴス……

俺、思うんでゴス。一星君は、大好きなサッカーを裏切っても弟の光君を助けたいと覚悟を決めていたんでゴスっ

本当は、一星君は誰よりもサッカーが好きな人なんでゴスっ！」

皆は岩戸の話を聞いて、先ほどまで一星を批難していた灰崎やヒロトも少し複雑な表情になっていた。