痛みを感じない女 Part４【イナギャラ】

１９９． ページ49

それからしばらくオズロックとAの間に妙な沈黙が流れた。









お互い睨み合ったまま動こうとしない。









そんな中、Aが徐ろに口を開いた。









『……殺さないのか？』









オ「何？」









『今ここは私と君と二人。監視カメラも何もない。









おまけにすぐそこには証拠隠滅にぴったりのブラックホールがある。









私が消えたところで、君が疑われる可能性も何もない。つまり、絶好の機会だ』









Aがそう言えば、オズロックは眉間に皺を寄せる。









オ「地球人とは、お前のように気味の悪いやつばかりなのか」









『ハッ、君に言われたくはないけどね』









Aがそう言うと、オズロックは溜息をついた。









オ「私は帰らせてもらう。明日の試合は、精々命を賭けて戦うことだな」









オズロックはそう言うと、そのまま消えてしまった。









『なーんだ、つまらないね……』









Aはそう呟くと、ブラックホールに背を向け宇宙船に戻っていった。

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