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皆はその後、吹雪の病院に付き添っていた。
夏「でもよかったわね。大事に至らなくて」
秋「えぇ……」
Aは吹雪の眠るベッドの横に座り吹雪の手をずっと握っていた。
栗「……俺達がいけなかったでヤンス」
円「え?」
栗「俺達が止められなかったから吹雪さん、無理をして……」
『違うよ……お前達のせいじゃないんだ……』
これはそういう問題なんかじゃない、とAは小さく呟いた。
春「あのっ……吹雪先輩、本当にボールとりに行っただけなんでしょうか?」
夏「どいうこと?」
春「あ、いえ……ただちょっと……」
『……』
円「なんだよ音無」
春「私、少し怖かったんです。あの時の先輩の顔……」
あの時とはグランのボールを取りに走っていった時のことだろう。
塔「確かに、見たことないような顔してた……」
春「それに、イプシロンと戦った時も……
ボールを持ったら感じが変わるのは何度かありましたけど、あの時は妙に気持ちが高ぶってたように……」
その時、円堂が気がついたかのような顔をした。
円「実は俺、イプシロン戦の後、吹雪に聞かれたんだ。
僕、変じゃなかったって……でも俺、なんか上手く答えられなくて……
もしかしたら吹雪のやつ、相当悩んでたのかな……」
一「A、吹雪はAには相談とかしてなかったのか?」
『……何も』
Aはそれだけしか言えなかった。
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作者名:梅こんぶ | 作成日時:2019年3月24日 12時