夜桜の木の下には彼女がいた２～エイリア学園編～ (ページ37)

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８７．ページ37

その日の夜、Aは静かな道を一人で散歩しながら考え事をしていた。

『士郎、やっぱり辛そうな顔してたな……完璧にならなくちゃいけない、か……』

川の流れている橋の上でAは立ち止り水をジッと見つめた。

『そっとしておくのが一番なのか……』

ヒ「こんな夜更けに女の子が一人でいると危ないよ」

突然話しかけられAは声のした方を見た。そこには以前山の中で出会ってヒロトがいた。

『お前……どうしてここに』

ヒ「君達の応援に来たんだよ。見てたよ今日の試合」

『負けたけどね……』

ヒ「残念だったね。でも君達ならきっといつか勝てるような気がするな」

ヒロトがAの隣に立ちそう言った。

『そう、ありがとうね。じゃあそろそろ帰らないと。お前もさっさと家に帰りなよ』

ヒ「待って。近くまで送っていくよ。女の子一人じゃ心配だし」

『意外と紳士なんだな、えっと……ヒロトだっけ？』

ヒ「覚えててくれたんだ。嬉しいな」

そしてAとヒロトはイナズマキャラバンの近くまで一緒に帰っていった。

『この辺でいいよ。ありがとう』

ヒ「うん。君達のこと、影ながら応援してるよ」

そう言った次の瞬間、ヒロトがAの頬にキスをした。

『へ？』

思わず間抜けな声がでてしまうA。

ヒ「フフ。じゃあおやすみ、Aちゃん」

ヒロトはそう言うと去って行った。

不覚にも少しドキッとしてしまったことは内緒である。