夜桜の木の下には彼女がいた２～エイリア学園編～ (ページ31)

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８１．ページ31

春「それじゃあ始めてくださーい！」

小「いくぞー！」

小暮がボールを持つAに向かってきた。

そしてAの足元のボールにスライディングをしてきた。

Aは眠たいのか頭が朦朧としている状態だ。

小「もらった！」

そう思った瞬間、Aはボールをうまくコントロールして小暮を躱した。

小暮は勢いあまって転んだ。

小「もう一回！」

また小暮がボールを奪いにくるが、何度やってもボールを取れる気配はない。

かれこれ一時間はずっと続けている。

因みにAはボールを持った状態でその場から動いてはいない。

春「流石にA先輩じゃハードルが高すぎたかも……

でもA先輩凄いなぁ……寝ぼけながらサッカーしてるんだもん；」

そして一旦休憩することに。

春「大丈夫ですかA先輩？」

『うん。少しは目が覚めてきたよ』

音「すみません、こんなことお願いしちゃって」

『いいよ別に。気にしないで』

Aは春菜にそっと微笑みかけた。

小「いつまで休憩してるんだよ！」

小暮がやる気満々の表情でAを見ている。

『……あいつ、二時間もやってる割には全くスピードが落ちてないな』

春「え？」

『それにあの動きも簡単にできるものじゃない……』

小「早くしろよ！」

『うるさい奴だな。後でひねり潰してやる』

春「ほどほどにお願いします；」

するとその時、辺りに不穏な空気が漂ってきた。

春「黒い霧……」