痛みを感じない少女【FFI】～Another Story 4～ (ページ4)

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秋の話を聞いてAは驚く様子もなければ、心配する素振りすら見せなかった。

秋「もしかしたら、一之瀬君……この試合が最後になるかもって……」

『……それで？だから私に手加減するよう皆に言えといいたいのかな？』

秋「そ、そういうわけじゃっ……！」

『一之瀬君の怪我の事は、私も薄々感づいていたよ。でも、彼は円堂達に手加減をしてもらっても勝ちたいと思っているのかな？

かつての最高の仲間達と全力で勝負したい……その上で得た勝利が彼が一番欲しいものなんじゃないかと私は思うのだけれど……その辺はどう思っているのだい？』

秋は涙を浮かべるだけで何も答えない。Aは小さく溜息をついた。

『君が一之瀬君を大切に思う気持ちは理解できないこともない。

でもね秋ちゃん……私はそんな事情、どうでもいいんだ』

秋「！」

『相談する相手を間違えたね。私は興味のないことには一切関わらない主義だからね。

この試合も、ただいつも通りに勝利を目指して戦うのみだ』

Aはそれだけ言うとベンチに戻っていった。

秋「わかってる……わかってるけど……」

秋は泣き止むまでそこに立っていた。

『(少し冷たく言い過ぎたかな？……女の子というのは、すぐに泣き出すから困ったものだ)』