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162. ページ12

皆が寝静まった夜中、宿舎の出入り口を閉めようとした時、食堂の明りがついていることに気付くA。









そのまま気になって食堂の方に向かうと、虎丸と飛鷹の声が聞こえた。









『わぁ〜美味しそうな匂いだね』









飛「Aさんっ!」









虎「あっ……」









『美味しそうなもの食べてるね虎丸君。これ、飛鷹君が作ったのかい?』









飛「まぁ、はい。Aさんも食べますか……って、女性に夜食を出すのは失礼ですかね」









『フフ、気にしなくていいよ。虎丸君の分もらうから♪』









虎「えっ、俺のですか?」









『うん♪あーん』









Aが口を開けて待っていると、虎丸がAの口の中に恐る恐る食べさせる。









『ん〜美味しいね〜飛鷹君は料理ができる男の子なんだね〜意外だよ。ね、虎丸君』









Aが虎丸に微笑みかけると、虎丸は少し気まずそうに目を逸らす。









虎「あの……夕食の時はすみませんでした……皆さんを不快にさせるようなこと言っちゃって…」









その時、Aは虎丸の頭を優しく撫でてやった。









虎「!」









『成長途中の子供には、そういうこともある。ホームシックで寂しいと思うなら、いつでも甘えにきてもいいのだからね。








幸運にも、君の周りには優しい先輩ばかりなんだから』









虎「Aさん、俺のこと気付いてて……」









『フフ、さぁね……じゃあ私は部屋に戻るよ。君達もあまり夜更かしはしないようにね』









Aはそう言って部屋に戻っていった。









虎「……俺にはお姉ちゃんはいないけど、なんだがAさんは、本当のお姉ちゃんな感じがするんですよね……」









飛「奇遇だな。俺も、あの人のさりげない面倒見の良さを見てると、こんな姉がいたらいいなって思う時がある」









虎「じゃあAさんは、イナズマジャパンの姉御ってことですね!」









飛「フッ、そうかもな」









『姉御、ね……フフフ、こんな出来の悪い弟達の姉とは、苦労するね』









Aはそう言いながらも嬉しそうに微笑んでいた。

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作者名:梅こんぶ | 作成日時:2019年9月14日 20時

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