夜桜の木の下で彼女は何を思う〜ホーリーロード編〜

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久「すまないな、厄介なコトを頼んで」









円「いえ、Aから電話をもらった時は吃驚しましたけどね」









『久遠監督からの頼み事だからな。断るはずがない』









そして三人の間に沈黙が流れる。先に口を開いたのは久遠だった。









久「サッカーは腐敗した……もう何処にもあの頃のサッカーはない。









勝利することには何の意味もない。勝利の先に待っているのは、サッカーを裏切った虚しさだけだ」









円「久遠監督……」








久「サッカーは名声を得るための道具に成り下がった。








俺達が世界一となって勝ちとったのは、こんなことだったのか……」









円「監督！俺は、またあの頃の雷門を取り戻そうと思います」








久「しかし、俺達の前に立ちはだかっているのは、とてつもなく恐ろしい相手だ」








円「フィフスセクターですね」









久「あぁ。奴等は少年サッカーだけでなく、全てのサッカーを侵食しつつある。









今の雷門サッカー部は極めて絶望的だが、まだ、僅かな希望はある」









円「えぇ、あいつは面白いやつです。な、A」









『昔のお前そっくりだよ』








Aと久遠は小さく笑った。









久「頼んだぞ円堂、A、雷門を、そしてサッカーの未来を。








しっかりな、円堂監督」









久遠が円堂の肩を掴みながらそう言った。









円「はい！」









『私も、暇があれば見てあげるからさ』









円「え、でもお前この間は無理だって……」









『気が変わった。私も見てみたくなったんだ。雷門に吹く、革命の風を』









円「そうか……またよろしくな！A！」









『えぇ！』

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