理系教師の弟【ツイステ】

２３． ページ23

それからある日のこと、錬金術の授業中。







「今日の錬金術は指輪の制作だ。一見簡単そうに思えるが、環状の創作物は歪みやすい。







自分の中指に合ったものを提出するように。では始め！」








クルーウェルの合図で、それぞれが大鍋を使って指輪を制作していく。








Aは同じポムフィオーレ寮の生徒と同じチームだった。









Aは錬金術が最も得意な科目で、完成するのにさほど時間はかからない。









「さすがなものですね」








『このくらいできて当然だ。さて、あとは片付けだな。その鍋まだ熱いから素手では触るな……って、おいっ！？』








Aが振り返った時には、その者は熱々の鍋を素手で触れていた。








「あっっ！！？」








『バカ！』









その者が触れた鍋はひっくり返り、Aは何故かその者を庇って熱々の熱湯を背中から浴びてしまった。








『っ〜〜！！』









「A！」









クルーウェルが急いでAに駆け寄ってくる。









Aは鍋の中身を被ったことで身体は濡れ、背中からは湯気が出ていた。









「シシシッ♪大成功ッスね……」









その様子を見て誰かが陰から笑っていた。

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