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それからジャックに一番に話しかけたのはグリムだった。
「オイ、そこのツンツン頭！」
「……あ？」
「オマエが悪い奴に狙われてるかもしれねぇから、オレ様たちが守ってやるんだゾ！どうだ、嬉しいだろ！」
「なんだ？てめーは。走り込みの邪魔すんじゃねぇよ」
ジャックはこちらを睨み付けながらそう言う。
「あ〜あ〜」
「ちょっとグリちゃん、話しかけ方に問題アリすぎでしょ！」
Aはグリムの口を塞いでそれ以上喋らないようにした。
「やー、ゴメンゴメン。ちょっとオレたちの話聞いてもらっていーかなー？」
「いきなりなんなんだてめーら。この俺を守る、だと？」
「実は最近学園内でマジカルシフト大会の選手候補が怪我をさせられる事件が多発しているんだ」
「で、オレたちはその犯人を捜してるんだけど」
「それと俺になんの関係が？」
「単刀直入に言うと、次に狙われそうな選手候補をマークして犯人が現われるのを待とうって作戦です。
どお？ちょっとオレたちに協力してくんないかな？」
ケイトたちがそう言うとジャックは少し考えるように黙り込む。
「……断る。俺は一人でなんとか出来るし、お前らに守ってもらう必要はねぇ」
「一人でいると危ないかもしれない」
監督生がダメ押しでそう言う。
「……。いらねぇって言ってんだろ。それに……俺が狙われることは、多分……ない。じゃあな」
ジャックはそう言うと去って行ってしまった。
『(何か知ってるな、あの１年)』
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作者名：梅こんぶ | 作成日時：2020年6月30日 12時
