夜桜の木の下には彼女がいた３〜FFI編〜

１０６． ページ6

それから数分も経たないうちに冬花が帰ってきた。








冬「ほら、Aちゃん。皆待ってるから」








『あーもう最悪……』








そう言ってAは渋々皆の前に姿を現した。








その瞬間、全員がAのドレス姿を見て固まってしまった。








白い雪のような肌によく映える黒いオフショルのにスリッドの入ったボディラインのはっきり出るドレス。ドレスのスリッドから除く白く細い生足は、本当にサッカーをやっているのか疑う程に美しい形をしている。







頭には青い薔薇の髪飾りをつけ、白く綺麗な髪は横流しにされていて項がチラリと覗く。







この姿を見て悩殺しない男などいるだろうか。否、いるはずがない。おまけに慣れないドレスを着て恥じらって頬を赤らめているその姿は最早人間なのか疑うレベルで愛らしい。









『だ、だからこういう格好は嫌なんだ……』








春「A先輩が動きにくいドレスは嫌だって言うからスリッドの入ったドレスにしたんじゃないですか」








Aは恥じらいながらも階段を降りて皆の所に向かった。








『そ、そんなに見ないでほしいんだけど……』








風「あ、いや、その……」








鬼「予想以上のものが出てきたな……」








虎「お、お綺麗です！Aさんっ！」








豪「よく似合ってるぞ。恥じらうことはない」








佐「中学生には見えないな……」








ヒ「Aちゃん、よかったら僕にエスコートさせてよ。ね？」








『う、うん……よろしく』








皆がAの姿に見とれていると、その場に一人いないことに気がつく。








秋「あれ？円堂君は？」








ヒ「そういえばいないね」








秋「あ、もしかして……」

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