元最凶の吸血鬼がメイドになった件 Ⅵ【黒執事】 (ページ49)

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シ「このままでは、僕は心から乾杯できない」

ブルーアー「どうした？」

シ「気になることがあるんです。……デリック・アーデンとその友人達のことです」

シエルの言葉に、監督生達はあからさまに動揺を見せた。

シ「彼らに会えるまで僕は乾杯できません」

エド「シエル……？」

シ「校長先生、僕の話を聞いて頂けますか？」

ブルーアー「ファントムハイヴ！無礼だぞっ」

シ「無礼は承知です。しかし校則第１５条にはこうあります。

”いかなる時も学友に心を配り愛を以てこれを助けること”＿＿と」

シエルの言葉にブルーアーは押し黙った。

シ「デリック・アーデン、リチャード・グリーソン、ロバート・アイザック、ウェイン・シューリス。

彼らは１年ほど前から一度も実家に戻らず寮に引きこもっていると聞きました。

実は僕が入学する際、一度帰宅するよう説得してほしいと彼らの親御さんに頼まれていました」

ヨハン「ほぅ……」

シ「しかし彼らに会おうとすればするほど奇妙なことばかり。一目見ることも叶わない。

赤寮から紫寮への突然の異動。もっと奇妙なのは先日の火事の時です。

紫寮生全員が避難したはずなのにそこに彼らはいなかった。

でもバイオレット先輩はこう言ったんです。”全員無事だ”と」

バイオレット「……」

レドモンド「バイオレットも気が動転してたんだろう」

シ「名門ウェストン校の自治を任される監督生ともあろう方がそんな重大なミスを？」

シエルの言葉にバイオレットは何も応えなかった。