心配:M ページ34
「なべしょ、カップルのいざこざに巻き込まれたりしてそうで、怖い」
Aちゃんはそう言う。確かにそれもある。
けど、俺が翔太を心配に思う気持ちの真意は、それじゃない。
Aちゃんは、気づいていない。
気づいていないし、わかってない。
今翔太が、"荒れている"と表現して間違いないくらい様子がおかしいことの、その原因が。
他の誰でもなくAちゃんにある、ということを、わかってない。
わかってないならば、気づいていないならば、俺からそれを言ってしまうのは正しくないと思うから。
だから本当は、俺は見守ることしかしてはいけないんだけど。
でも同時に、今の翔太を救えるのは、Aちゃんしかいないのも事実。
俺は、みんなで仲良く平和に暮らしていたこの家が好きだ。7人がみんな幸せで、7人みんなを思い合って、優しさを共有していたこの家が好きだ。
みんなおかしい。
照とAちゃんが付き合うかもしれないだとか。
それで翔太は現実から逃げて荒れていることとか。
ふっかは照を気にかけて1人であれこれ考えているようだし。
阿部と佐久間はそれを面白がっているし。
そして目の前のAちゃんは、自分の行動で全てが壊れるかもしれないと思い込んでいるせいで、余計に状況を悪化させていることに気づいていないし。
俺はみんなを信じている。
俺たちの中の関係性が変わったって、俺たちを包んでるしあわせが変わるわけじゃない。
なにが変わっても、俺たちはお互いを思い合って今まで通り笑えるに決まってる。
俺は頑固だから、そう信じたら、もうそれしか信じない。
宮「俺も最近翔太に会えてないんだ。元気そうにしてた？」
Aちゃんは、翔太には会えたと言っていた。
けれど、話せてはいない、とも。
Aちゃんは俺の質問に、一瞬表情を強張らせた。見間違いかと思うくらい一瞬。けれどすぐにいつものおちゃめな表情になる。
「元気そうだったよ〜！ 今夜もお楽しみですね〜？って感じだった」
ニヤニヤという感じで笑うAちゃん。
さっきの一瞬の強張りは。
翔太が毎日女の子を取っ替え引っ替え遊んでいると、初めて知った日の隠せないほどの動揺は。
それらは全部嘘だったのかと思うくらいの、裏のなさそうな笑顔。
それが少し痛々しかった。
宮「そっか………じゃあ、今、翔太は楽しいのかな？」
だから俺は笑わない。
冷静にAちゃんと俺たち6人を繋ぎたい。
Aちゃんから目をそらさない。
いつかにそう決めたから。
痛々しいくらいに真剣でいる。
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しょぴお - このお話すごく好きでした。今まで更新お疲れ様です。ずっと読んでました。笑 お話の終わり方がすごい、いい感じですね。このお話大好きです。 (2019年5月31日 19時) (
レス) id: d08dff729e (このIDを非表示/違反報告)
れいな(プロフ) - 続編待ってます。 (2019年5月30日 11時) (レス) id: f9aa5203aa (このIDを非表示/違反報告)
Momanao(プロフ) - 続編、楽しみにしてます！なんか...嵐が吹き荒れる予感が... (2019年5月16日 1時) (レス) id: a8ed6fc393 (このIDを非表示/違反報告)
しょぴお - 話を読んでて泣きそうになった…。いや、泣く笑 (2019年5月14日 22時) (レス) id: d08dff729e (このIDを非表示/違反報告)
ミックスジュース(プロフ) - なべしょに頑張って欲しい！この作品大好きです！！これからも頑張って下さい！楽しみしています(^○^) (2019年5月14日 20時) (レス) id: 6b8cfc92fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おかゆ
| 作成日時：2019年2月1日 14時
