わからない ページ12
起床時刻は午後2時だった。
二日酔いで気持ち悪すぎて、ガンガン回る頭を必死にフル回転させる。
「………どうやって帰ってきたんだ…？」
確か昨日はバイト終わりに木村くんと飲んでいたはずなんだけど、居酒屋の中から記憶がプッツリと途切れている。
この家で暮らし始めてから、飲み会の後にベロベロのまま帰ってきたことはたったの1度もなかった。
それは、酔った姿も、翌日のボロボロの姿も、何もかもこの6人には見せたくなかったからだった。
だから必ず木村くんの部屋に泊まっていたはずだし、今日もそうなるものだと思っていた。
なのに。起きたら自室で。
部屋の外からは微かに生活音があって、この家の誰かしらがいることがわかる。
「……困った」
とりあえずシャワーを浴びたいし、水も飲みたいし、ご飯も食べたいし、なので。きもち悪さでうーうー唸りながら、どうにか服を着替えた。
開け方が変わったところで、現実はなにも変わらないってことはわかっていたけど…気分的な問題でゆっくりゆっくりとドアを開けたら、リビングにはだてさんがいた。
「…………おはよ」
宮「お、Aちゃん。おはよう」
「だてさんだけ？」
宮「そうだよ。お腹すいたでしょ、なんか軽く作ってあげるね」
「えっ？本当？めっちゃめちゃありがたい……」
だてさんの好意に甘えて、だてさんが座っていたところの向かいの椅子を引く。
宮「昔もさ、Aちゃんが連絡なく帰ってこなかった日に、2人でこうやって話したよね」
「あ……そういえばあの時も二日酔いの後だったなぁ」
あれはまだ、この家に住み始めて2ヶ月くらいのころだったかな。
「あの時はまさか、酔ったあとにここに帰ることがあるなんて、思わなかったよ」
宮「それだけ俺たちになんでも見せられるようになった、ってことなんじゃない？」
「そうなのかなぁ……」
酔った姿や、二日酔いで苦しむ姿を見せたくないのは、あまり変わらない気がする。
だけど、サークルなどで遊び歩くことがかなり減ったこともあるし、ベロベロに酔った時に"この家に帰りたい"って思ったとしても、不思議じゃない。
「あたし、どうやって帰ってきたんだろ……」
宮「あれ？まったく記憶ないの？」
「実はもう、すっからかん」
宮「あらら……じゃあ、ホワイトボード見てみな？」
なんとなく、恐る恐る振り返った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 945人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しょぴお - このお話すごく好きでした。今まで更新お疲れ様です。ずっと読んでました。笑 お話の終わり方がすごい、いい感じですね。このお話大好きです。 (2019年5月31日 19時) (
レス) id: d08dff729e (このIDを非表示/違反報告)
れいな(プロフ) - 続編待ってます。 (2019年5月30日 11時) (レス) id: f9aa5203aa (このIDを非表示/違反報告)
Momanao(プロフ) - 続編、楽しみにしてます！なんか...嵐が吹き荒れる予感が... (2019年5月16日 1時) (レス) id: a8ed6fc393 (このIDを非表示/違反報告)
しょぴお - 話を読んでて泣きそうになった…。いや、泣く笑 (2019年5月14日 22時) (レス) id: d08dff729e (このIDを非表示/違反報告)
ミックスジュース(プロフ) - なべしょに頑張って欲しい！この作品大好きです！！これからも頑張って下さい！楽しみしています(^○^) (2019年5月14日 20時) (レス) id: 6b8cfc92fa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おかゆ
| 作成日時：2019年2月1日 14時
