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自室に帰って上着を無造作にベッドの上に放り投げる。
『ふぅ……………。
ん？』
椅子に腰掛けてネクタイを緩めながら息を吐くと、机の上に置いてある封筒に気がついた。
赤いシーリングワックスで閉じられた、上品な白い封筒。
宛名を見るとRとだけ書かれている。
自然と頬が緩むのを感じつつ、引き出しの中からナイフを取り出して封を切った。
『親愛なるAへ…………
…………ふふっ』
文章を読み進めれば進めるほど彼への愛おしい気持ちが溢れ出す。
どうやらこの間の満月の時に彼へ送ったプレゼントへのお礼の手紙のようだった。
彼の筆跡を指でなぞる。
そっと便箋にキスを送った。
満月がすぎた今、窓から見えるのは欠けた月。
本当なら満月の方がロマンチックに感じるものなのかもしれないが、彼が穏やかな夜を過ごせるのであれば欠けた月の方が良い。
『今………何してるのかな…』
手紙を引き出しに仕舞い、新しい便箋と万年筆、そしてインクを取り出した。
彼に早くハリーのことを伝えてあげよう。
きっと知りたがっているだろうから……。
サラサラと手紙を書き進める。
部屋にはペンが擦れる音だけが響いた。
きっと明日には届くだろう。
誰よりも愛しい君への手紙。
会いたい気持ちをそっと添えて、封を閉じた。
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わさび(プロフ) - ぴうさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！一気読み！？あ、あまりご無理なさらずに！！！ (5月22日 22時) (
レス) id: 4f48927b1a (このIDを非表示/違反報告)
ぴう(プロフ) - うぁぁ、タイプだぁぁ面白いです！これから一気読みします！ (5月20日 18時) (レス) id: c288b38476 (このIDを非表示/違反報告)
わさび(プロフ) - 龍さん» わぁぁぁ！ありがとうございます！！そう言っていただけてとても嬉しいです！！ (2022年8月22日 22時) (レス) @page42 id: 4f48927b1a (このIDを非表示/違反報告)
龍(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！続き楽しみにしています！ (2022年8月22日 20時) (レス) @page43 id: c13f564568 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わさび | 作成日時：2022年8月1日 22時
